2022年 01月 12日
「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」
「En helt almindelig familie」…aka「A Perfectly Normal Family」2020 デンマーク
90年代のデンマーク。両親と大好きな姉カロリーネと郊外に暮らすエマはサッカーに夢中の11歳の少女。ある日突然両親が離婚を発表する。それは父のトマスが女として生きたいという理由からだった。女として生きる父を受け入れることができないエマはいらだちを募らせていく…
ドラマはエマの視線で語られる。父が突然”女として生きたい!”なんて言ったら子供は動揺するに違いない。そして地元のサッカークラブで活躍するエマは、仲間から父親のことを揶揄され大いに傷つく。
14歳の姉カロリーネは父を受け入れる準備ができていて大人だなぁと思った。
西洋ではキリスト教信者の祝いとして<堅信式>というものが執り行われるそう。それは大人になった証。14歳で大人にとは、北欧の子供は成長が早いのかも知れない。一部の酒も16歳でOKだし。日本ではようやく18歳で大人に...。
タイ旅行で出会ったオランダ人女性ペトラに、自分は娘たちの父親(彼は母親と思っている?)だとは言わない。アウネーテは誰に対しても自分自身は女なのだ。
30年前のカミングアウトは、先進国のデンマークでもきっとまだ受け入れられない状態だったのだろう。
エマ役のカヤ・トフト・ローホルトが悩みまくるキュートな少女を好演している。14歳カロリーネ役のリーモア・ランテが大人過ぎ。実年齢は2003年生まれなので、撮影時は16か17歳くらい?
そしてミケル・ボー・フォルスゴーの女装が面白い。
ドラマに挟みこまれる過去の映像。それは父トマスが撮影するホームビデオ。あの描き方はとても良かった。
全然ノーマルなファミリーじゃないのに付いたタイトルがナイス。
本作はマルー・ライマンの初長編映画で、ドラマは彼女自身の体験から着想を得ている。
祝日の最終回、シアターはガラガラ。デンマーク製のトランスジェンダー、ドラマは受けなかったよう。
エマにカヤ・トフト・ローホルト。
トマス/アウネーテに「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」「ヒトラーの忘れもの/2015」のミケル・ボー・フォルスゴー。
カロリーネにリーモア・ランテ。
母ヘレにニール・ランホルト。
サッカーのコーチ、ナヤに「THE GUILTY/ギルティ/2018」のイェシカ・ディナウエ。
ペトラに「ありがとう、トニ・エルドマン/2016」ハーデヴィッフ・ミニス。
監督、脚本はマルー・ライマン。
新宿シネマカリテ