2020年 12月 05日
「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」
「Edmond」2018 フランス/ベルギー
1897年のパリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは2年間スランプに陥っている。そんな折、大女優サラ・ベルナールを介して大物俳優コンスタン・コクラン主演の舞台を手がけるチャンスが舞い込む。エドモンはタイトルを”シラノ・ド・ベルジュラック”と決めたが執筆が全く進まないでいる。そんな中、俳優で親友のレオが衣装係の美しいジャンヌに夢中。しかし彼女の気を引けずに困っていることを知り手助けすることになる。レオの変わりにジャンヌに恋文をしたためるエドモン。案の定ジャンヌは美しい恋文に夢中になるが、エドモンが書いたとは知る由もない。一方で恋文に触発されたエドモンは”シラノ・ド・ベルジュラック”の脚本を書き始める…
エドモンは次々とアイデアが浮かびシラノ役は名優コクランで決まりだが、相手役の女優はスポンサーの一声でワガママなマリア・レゴーに決定。エドモンは全くもって気に入らないが金を出してくれるスポンサーに文句は言えないのだ。その後、トラブル続出で舞台は?
本作は名舞台”シラノ・ド・ベルジュラック”の誕生秘話を描いたコメディ・ドラマ。
”シラノ・ド・ベルジュラック”は世界中で愛される舞台劇で、ベル・エポック時代のパリで大成功を収め100年後の現在も演じられている。そしてフランスの舞台だけではなく英国でも上演されており、映画にもなっている。
エンディングで”シラノ”を演じた歴代の俳優の姿が映される。そのラストはジェラール・ドパルデューの「シラノ・ド・ベルジュラック/1990」だった。ドパルデューはシラノ役で1990年度のセザール賞で主演男優賞を受賞。もちろんこの映画は鑑賞している。
シラノ・ド・ベルジュラックは17世紀に実在した剣術家であり、詩人で哲学者でもあったフランス人。
戯曲”シラノ・ド・ベルジュラック”のヒロインはロクサーヌ。容姿(デカイ鼻)にコンプレックスを持ちながら、生涯従姉妹のロクサーヌを愛し続けたという物語。
STINGがポリス時代に作った”Roxanne”を思い出した(歌詞はシラノのロクサーヌとは関係なくて名前だけ)。
エドモン・ロスタンに「最強のふたり/2011」「欲望に溺れて/2017」のトマ・ソリヴェレス。
コンスタン・コクランに「若き人妻の秘密/2011」「ルージュの手紙/2017」のオリヴィエ・グルメ。
マリア・レゴーに「ハリー、見知らぬ友人/2000」のマティルド・セニエ。
レオ・ヴォルニーに「プロヴァンスの休日/2014」のトム・レーブ。
ジャンヌにリュシー・ブジュナー。
ロズモンドに「婚約者の友人/2016」のアリス・ドゥ・ランクザン。
サラ・ベルナールに「あしたは最高のはじまり/2016」のクレマンティーヌ・セラリエ。
ジャン・コクランに「ウイークエンドはパリで/2012」のイゴール・ゴッテスマン。
監督/原案/脚本は「ウルフズ・コール:出演/2019」のアレクシス・ミシャリク。
新宿シネマカリテにて