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「カセットテープ・ダイアリーズ」

Blinded by the Light」2019 UKUSA/フランス

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1987年、サッチャー政権下の英国ルートンの小さな町。両親や妹と暮らすパキスタン系の少年ジャベドは16歳の高校生。隣人のマットは英国人で同じ学校に通っている。移民に対する差別が繰り返される中、失業率も高く、ジャベドの父も会社を首になる。そんな中、同じくパキスタン系の青年ルーブスからブルース・スプリングスティーンを聞かされ、一気にブルースの虜となる


詩を書くことが大好きで作家になりたいという夢を抱くジャベド。そして文学教師のミス・グレイはジャベドの才能を察知し彼を支える。

英国人の同級生にパキがボスを聞く?ブルース・スプリングスティーンは親の世代のミュージックだ。と揶揄されながらもブルースを聴き続けるジャベド。

労働者階級に生まれ、後にミュージシャンとして成功しボスとあだ名されるほど大物になったブルース・スプリングスティーン。ジャベドがブルースに夢中になったのは彼を尊敬し憧れを抱いたから...


原作はパキスタンに生まれ、現在は英国ガーディアン紙で定評のあるジャーナリストとして活躍するサルフラズ・マンズールの自伝的な回顧録”Greetings from Bury Park: Race, Religion and Rock N’ Roll”

ブルース・スプリングスティーンの協力のもと完成した青春映画は素晴らしい!

映画のラストにブルースと一緒のジャベドの写真が登場。ジャベドはブルースのライヴを何百回と見たそう。


映画を鑑賞した後YouTubeでブルースを聴きまくり、Amazonでベストアルバムをオーダーした。

「サンダーロード/2018」で”涙のサンダー・ロード(Thunder Road)”を聞くことはできなかったが本作ではブルースの歌でバッチリ聞けた。

「フィラデルフィア/1993」でゲイのエイズ患者を演じたトム・ハンクス。彼はオスカー主演男優賞を受賞し、ブルースの“Streets Of Philadelphia”はオスカー歌曲賞を受賞。この曲は泣ける。

ミッキー・ローク「レスラー/2008」のテーマ“The Wrestler”も胸に迫る。


父親はお前は英国人ではなくパキスタン人だ!と息子に諭す。しかしジャベドにはブリティッシュの友人マットもいるし、自分はブリティッシュだと思っている。

英国人からパキと呼ばれるパキスタン移民。パキは出て行け!と街頭デモで叫ばれ、唾を吐かれ、家の玄関に放尿されたり、と凄まじい差別を受ける日々。隣人のエヴァンスが差別意識を持たない人物でナイス。ミス・グレイも然り

21世紀の今ではこのようなあからさまな差別はないと信じたい。

ジャベドとイライザの淡い恋...パキスタン青年とアイルランド人女性の恋を描いた ケン・ローチの「やさしくキスをして/2004」を思い出した。


ジャベドにヴィヴェイク・カルラ。

マットに「1917 命をかけた伝令/2019」のディーン=チャールズ・チャップマン。

ミス・グレイに 「プーと大人になった僕/2018」のヘイリー・アトウェル。

イライザに「グッドライアー 偽りのゲーム/2019」のネル・ウィリアムズ。

マリク(ジャベドの父)に「ベッカムに恋して/2002」のクルヴィンダー・ジル。

ヌール(ジャベドの母)にミーラ・ガナトラ。

シャジア(ジャベドの妹)にニキータ・メフタ。

マットの父親に「シンクロ・ダンディーズ!/2018」のロブ・ブライドン。

ルーブス(ジャベドの友人)にアーロン・ファグラ。

ミスター・エヴァンズ(隣人)に「フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて/2019」のデヴィッド・ヘイマン。

監督、脚本、製作は「英国総督 最後の家/2017」のグリンダ・チャーダ。


TOHOシネマズシャンテにて


by margot2005 | 2020-07-14 21:38 | Comments(0)