2019年 11月 29日
「残された者 -北の極地-」
「Arctic」2018 アイスランド
”飛行機事故により北極に取り残された男のサバイバルドラマ。”
パイロットのオボァガードが乗った飛行機が北極圏に不時着する。極寒の中、飛行機の残骸で住まいを作り、魚を釣って食料にして生き延びている。周辺の地理を確認したり、雪の中から土を掘り起こしてSOSの絵文字で避難信号を発信したりして、オボァガードは日々、自身のルーティンに従って救助を待っていた。そんなある日、ついに救助ヘリコプターがやって来たが、強風にあおられて墜落してしまう。操縦士は亡くなり、同乗していた若い女性も大怪我を負ってしまう…
オボァガードは重傷を負った女性を必死で介抱する。自身の寝床を与え、水を飲ませ即席に作った食べ物を与える。しかし彼女の意識は戻らない。もはや助けは来ないのか?と感じたオボァガードは女性をソリに乗せて過酷な旅に出る。
旅の途中岸壁にぶち当たり、先には行けないと判断したオボァガードは迂回するがそこでも再び障害が起こり彼を苦しめる。
何度も、何度も”You Are Not Alone/君は一人じゃないよ”と、ほぼ意識のない女性を励ますオボァガード。でもその言葉は自分自身に言っているように聞こえた。
TVドラマ「ハンニバル シリーズ/2013~2015」の出演でアメリカでも人気者となったマッツ。本作もHollywood Express(ヨーロッパ、北米では1月下旬から2月上旬に公開)で紹介されていたので公開を待っていた。
映画を見終わって、海で遭難したロバート・レッドフォードの「オール・イズ・ロスト 最期の手紙/2013」を思い起こした。ドラマの出演者はレッドフォードただ一人。本作も若い女性の出演があるがほぼ意識不明状態。で、台詞は男の独り言と女性を励ます言葉のみ。やはりマッツも一人舞台で頑張っている。
白熊のシーン以外はアイスランドで撮影されたそうで、マイナス30度の雪だらけの中での撮影は過酷だったに違いない。
撮影クルーの足跡が残らないよう少人数で撮影されたという。アイスランドの大自然に圧倒される。
オボァガードに「アダムズ・アップル/2005」「永遠の門 ゴッホの見た未来/2018」のマッツ・ミケルセン。
若い女性にマリア・テルマ・スマラドトティル。
監督、脚本、製作総指揮はジョー・ペナ。
新宿バルト9にて