2019年 07月 12日
「ニューヨーク 最高の訳あり物件」
「Forget About Nick」2017 ドイツ
モデルのジェイドは将来を考えデザイナーとしてデビューすることを考えている。そんな折、突然夫ニックから離婚を告げられる。家で落ち込んでいると玄関のドアが開き、ニックが戻って来たと出迎えたら知らない女性が飛び込んで来た。やがてマリアと名乗る彼女はアパートメントの所有権の半分を主張して住み始める…
デザイナー、デビューを計画するジェイドのファッションがスーパーお洒落。パンツ&ブラウス、ドレスのほとんどが白と黒。時に真っ赤な色を組み合わせてスゴくゴージャス!
マンハッタンの超高級アパートメントもとてもゴージャスでため息が出る。キッチンや家具も素敵だ。上に書いた玄関のドアは厳密に言えばペントハウス直通エレベーターのドア。邦題についた”最高の訳あり物件”は超高級アパートメント最上階のペントハウス。
マリアはリビングルームに飾られたジェイド好みの派手な絵が気に入らない。リビングルームは二人の共通の場なので撤収を求める。絵が二階のジェイドの部屋に行ったり、再びリビングルームに戻ったりするシーンが可笑しかった。それを運ぶのはヒスパニック系の便利屋というのも笑える。
甘いもの好きなドイツ人マリアが作るスイーツが実に美味しそう。ジェイドでさえ太ることを恐れつつマリアのスイーツをガツガツ食べていたし...。
本作スタイリッシュで面白かったのに観客にはあまり受けないのか?シアターは思ったより入っていなかった。
アメリカに暮らすノルウェー出身の女性とドイツからやって来た女性。元夫が同一人物である二人のバトルが面白い。この二人全く違う個性の持ち主ながら、男も女も意外にも全く違う個性の人を好きになる可能性はある。
原タイトル「Forget About Nick/ニックなんか忘れて」がナイス!
そしてマルガレーテ・フォン・トロッタの映画はシリアスなものしか見ていないので、このようなコメディを作るなんて...と、思っていたら初コメディとのこと。で、ドラマはかなりイケてる。
ジェイド役のイングリッド・ボルゾ・ベルダルの顔の丸いところがアビー・コーニッシュにそっくり。シアターで予告編を見た時、なぜにドイツ映画にアビーが?なんて思ったくらい。
イングリッドは常に唸っていて、撮影中疲れなかったかな?
ジェイドに「ヘンゼル&グレーテル/2013」「ヘラクレス/2014」のイングリッド・ボルゾ・ベルダル。
マリアに「帰ってきたヒトラー/2015」「生きうつしのプリマ/2016」のカッチャ・リーマン。
ニックに「ウォリスとエドワード 王冠をかけた恋/2011」のハルク・ビルギナー。
アントニアにティンカ・フュアスト。
ウィッツにフレドリック・ヴァグナー。
ルチーにルチー・ポール。
監督は「ハンナ・アーレント/2012」「生きうつしのプリマ/2016」のマルガレーテ・フォン・トロッタ。
シネスイッチ銀座にて