2019年 04月 30日
「希望の灯」
「In den Gängen」…aka「 In the Aisles」 2018 ドイツ
巨大スーパーマーケットに職を得たクリスティアンはとても内気な青年。飲料セクションに配属された彼は先輩ブルーノの指導のもと真面目に働き始める。
クリスティアンは身体中にタトゥを入れている。何かわけあり?と思わずにはいられないが、超無口な彼は誰にも何も語ろうとしない。そしてスイーツ・セクションの年上の女性マリオンに恋をする...
深夜の巨大なスーパーマーケットに流れるバッハの”G線上のアリア”。それに合わせて走るフォークリフトはまるでワルツを踊っているよう。Back musicが最高に地味なドラマを少しばかり盛り上げる。
クリスティアンが抱える心の傷、夫から受けるマリオンの苦しみ、そして東ドイツ時代への郷愁に囚われているブルーノ。ラスト近くそれらが明かされる。
全編を通してとてもゆったりした雰囲気で眠くなりそうだった。”G線上のアリア”が流れるとますます眠気を誘う。しかしながらなんとか頑張って最後まで鑑賞した。
映画の舞台は東西統一後のドイツ、ライプツィヒ近郊。遠くにはアウトバーンを走る車が見え、ロケされた巨大なスーパーマーケットは東ドイツ時代のものだそう。
ちょっとクセのあるドイツ人俳優フランツ・ロゴフスキは物憂げな表情がとても似合う。
「ありがとう、トニ・エルドマン」で初めてお目にかかったザンドラ・ヒュラー。レビューに”あまり美しくないドイツ人女優たち…”なんて書いたが、彼女たちって顔が男顔?なのか固いのか?
クリスティアンに「未来を乗り換えた男/2018」のフランツ・ロゴフスキ。
マリオンに「ありがとう、トニ・エルドマン/2016」のザンドラ・ヒュラー。
ブルーノにペーター・クルト。
ルディにアンドレアス・ロイポルト。
クラウスにミヒャエル・シュペヒト。
イリーナにラモナ・クンツェ=リプノウ。
監督、脚本はトーマス・ステューバー。
Bunkamuraル・シネマにて