人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「パーソナル・ショッパー」

Shopper2016 フランス・ドイツ

「パーソナル・ショッパー」_a0051234_20260507.jpg

「パーソナル・ショッパー」_a0051234_20261516.jpg


パリの街でパーソナル・ショッパーとして働くモウリーンは双子の兄を3ヶ月前に亡くしていた。兄同様霊媒師としての能力を持つ彼女は生前約束した兄からのサインを待っている。兄の恋人だったララに案内されて彼らが住んでいた屋敷で一夜を明かすが現れたのは兄のゴーストではなかった。一方で世界中を飛びまわる女優キーラに雇われるモウリーンは、ある日アパルトマンでキーラの愛人インゴと出会う...


モウリーンに「イン・トゥ・ザ・ワイルド/2007」「ニュームーン/トワイライト・サーガ/2009」「オン・ザ・ロード/2012」「アリスのままで/2014」「アクトレス ~女たちの舞台~/2015」「カフェ・ソサエティ/2016」クリステン・スチュワート。

インゴに「アクトレス ~女たちの舞台~/2015」ラース・アイディンガー。

ララにシグリッド・ブアジズ。

アーウィンにアンデルシュ・ダニエルセン・リー。

キーラにノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン。

監督、脚本は「クリーン/2004」「パリ、ジュテーム/2006」「夏時間の庭/2008」「アクトレス ~女たちの舞台~/2015」オリヴィエ・アサイヤス。


主人公が霊媒師なのでオカルトものなのか?と、見るかどうかとても迷った。でもフランス映画で監督はオリヴィエ・アサイヤス…やはり見てみたい!と思う一心で見に行ってしまった。

オリヴィエ・アサイヤスの描くサスペンス・スリラーはとてもミステリアスで、ヒロインのモウリーンを演じるクリステン・スチュワートは「アクトレス ~女たちの舞台~」に続いてナイス・キャスティング。


ドラマは心霊現象などを織り込んでなんとも不可思議な世界だが、コワいシーンは殆どない地味な霊媒師と華やかなファッションは全くもってミスマッチと思っていたら、監督は“物質的な世界とこの世ではない別の世界”を描きたかったらしい。

過去にBSでニューヨークで働く“パーソナル・ショッパー”のドキュメンタリー番組を放送をしていて、初めて“パーソナル・ショッパー”という仕事を知った。

本作でも描いているように、クライアントのために選んだ商品を身につけてはならないというルールがあるらしい。しかし謎のメールを送ってくる男にそそのかされモウリーンは禁を破ってしまう。ベッドでキーラのドレスを着て恍惚とした表情を浮かべるモウリーン。禁欲に屈してしまった姿が官能的でとても美しい。


フランス映画はラストを迎えても結末が良くわからなくてちょっとイラつくドラマがある。これはその最たるもの。

モウリーンは双子の兄と交信できたのか?も定かではないし、殺人事件の犯人は判明したが、具体的な説明は一切なし。モウリーンの携帯に執拗にメッセージを送るのは誰?それも最後まで明かされなかった。

でもあの人物はインゴ以外に考えられない。インゴならキーラを通じてモウリーンの携帯電話番号を知り得ることが可能だし…。キーラの家で鉢合わせた時におそらくインゴはモウリーンに興味を持ったのだ。


オカルトって元々の意味は“隠されたもの”を語源とするらしい。

バイクに乗ってパリの街を疾走するモウリーンはダサいセーターに皮ジャンとスニーカー。普段のモウリーンのファッションはあえてあのようにダサイものにしたのだろう。謎の男に誘われ指定されたホテルに行く時はキーラのドレスとパンプスで着飾るモウリーンがいたりして、謎のメッセージによってモウリーンの“隠されたもの”が徐々に現れて行く様が、ドラマと相まってとてもミステリアス。

“隠されたもの”がテーマのようなのでストーリーは曖昧に描いたのかも知れない。


余談…

モウリーンがキーラのシャネルのすけすけのドレスを着るシーン…ドレスの下につけるハーネスなるものにびっくり。ハーネスって動物の体を固定するための道具と思っていた。盲導犬なんかにつけるアレ。人間ではウインドサーフィンやSMプレイの際にも使用する。しかしハーネスはファッションの一つでもあると知って驚いた。昔、ヨーロッパの女性がつけたコルセット(鉄のワイアor鯨骨)を思い出す。美しく見せるためにはなんでもアリ?

AppleのMacとiPhoneが頻繁にでてくるのは監督が好きだから?私もApple大好きだけど。


TOHOシネマズ六本木にて



Commented by ituka at 2017-05-27 16:44 x
主演がクリステンだったし、ワタシは勝手に犯罪ミステリーモノだとばかり(笑)
なので冒頭の気味の悪い館のところで???でした。
結局、監督は何が言いたかったのか、すべてが曖昧なままでしたね。
あのメールは、やはりインゴなのかな~。
Commented by margot2005 at 2017-05-28 18:53
> itukaさん
こんばんは。
オープニングの屋敷はマジで古くてゴーストでそうでした。
そしてあの館のシーンで??だったんですね。
フランス映画って解明されないまま唐突に終わりって結構あります。
監督は見るものに解釈を委ねて閉じちゃったのでしょうか?
インゴ以外だったらルイス?でもメッセージは兄っぽくないですよね?
by margot2005 | 2017-05-26 23:06 | Comments(2)