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イタリア映画祭2017...「甘き人生」

Fai bei sogni…akaSweet Dreams2016 イタリア/フランス

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母を失った男の魂の喪失と再生の物語。


マッシモに「おとなの事情/2016」ヴァレリオ・マスタンドレア。

マッシモ(幼少期)にニコロ・カブラス。

マッシモ(青春期)にダリオ・ダル・ペーロ。

エリーザに「シークレット・オブ・モンスター/2015」ベレニス・ベジョ。

マッシモの父にグイド・カプリーノ。

マッシモの母にバルバラ・ロンキ。

マッシモ(青春期)の友人エンリコにディラン・フェッラリオ。

エンリコの母に「ヴィオレット-ある作家の肖像-/2013」エマニュエル・ドゥヴォス。

大富豪アトスに「人間の値打ち/2013」ファブリツィオ・ジフーニ。

監督は「母の微笑/2002」「夜よこんにちは/2003「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」「眠れる美女/2012のマルコ・ベロッキオ。


トリノに住む9歳のマッシモは地元のサッカーチーム、トリノの大ファン。ある夜、大好きな母がお休みのキスをした後、帰らぬ人となる。やがて父親に連れられて教会へ行き、神父から母の死を告げられるがマッシモは彼女の死を受け入れることができない。そして母の死因を知らないまま大人に成長する。


母の死はマッシモの人生にずっと影を落とし続けていた。ある時、マッシモは呼吸が苦しくなって病院で診察を受け、担当した女性医師のエリーザに惹かれてしまう。母は心筋梗塞で亡くなったとエリーザに告げるが、彼女の返答から母の死因に疑問を抱くようになる。

終盤で母の死因が明かされる。“逝かせてあげなさい。”というエリーザの言葉が胸に染みる。


原作はトリノ生まれのジャーナリスト、マッシモ・グラメッリーニの書いたベストセラー小説。

ドラマは60年代から90年代にかけて描かれる。

ジャーナリストであるマッシモが政治記者時代に取材した政界の構造汚職と検察による汚職捜査や、サラエヴォで取材したボスニア・ヘルツェゴビナの紛争などが描かれることでマッシモの新聞記者としての経歴をたどることができる。そしてスクリーンにサッカーの試合中継がたびたび流れるのはマッシモが一時期スポーツ記者だったから...。60年代に流行ったMusic&ツイストが懐かしい。

ある時、“母を愛せない”と悩む中年男の人生相談投稿に答えるマッシモ。彼は母を亡くした男で、自身の経験を綴った投稿が大評判を呼ぶエピソードはとっても素敵だった。


大人のマッシモを演じるヴァレリオ・マスタンドレアがスゴく良かった。彼のこのようなキャラは初めて見たかも知れない。

出番は少ないながらフランス人女優エマニュエル・ドゥヴォスの存在感は圧倒的。

マッシモに癒しを与えるエリーザ役のベレニス・ベジョも良かったな。


有楽町朝日ホールにて


by margot2005 | 2017-05-09 22:50 | 映画祭 | Comments(0)