2017年 05月 08日
イタリア映画祭2017...「君が望むものはすべて」
「Tutto quello che vuoi」2017 イタリア
何一つ接点のない老人と若者が出会い友情を育んでいくヒューマン・コメディ。
ジョルジュに「死刑台のメロディ/1971:監督、脚本」のジュリアーノ・モンタルド。
アレッサンドロにアンドレア・カルペンツァーノ。
クラウディアに「昼下がり、ローマの恋/2011」「海と大陸/2011」のドナテッラ・フィノッキアーロ。
リッカルドにアルトゥーロ・ブルーニ。
アレッサンドロの父親ステファノにアントニオ・ジェラルディ。
監督は「ブルーノのしあわせガイド/2011」のフランチェスコ・ブルーニ。
ローマの下町に住む22歳のアレッサンドロは定職もなく父親に養われている。ある日、仲間たちと喧嘩騒ぎを起こし警察沙汰となる。業を煮やした父親はぶらぶらしているアレッサンドロに仕事を見つけてくる。それはアルツハイマー病を抱える85歳の老人ジョルジュの散歩の相手をすることだった。
ピアスもタトゥーも俺が金を出している!と父親に言われるアレッサンドロはいわゆるNEETで仲間たちも皆遊び人。ジョルジュは過去に数々の文学賞を受賞し、大きな名声を得た詩人だったが今では世間からも忘れ去られ、隠遁生活を送る日々。老人相手はいやいやだったが、アレッサンドロは次第に彼の詩や人柄に惹かれるようになる。
ある日、アレッサンドロは部屋の壁一面に書かれたジュルジュの詩を見つける。そして詩と詩の間に十字架の絵も書かれていた。アルツハイマー病のジョルジュは時折ワケのわからないことを言い出す。それは第二次世界大戦下の従軍兵士時代のことでアメリカ兵士の逃亡や贈り物の話が続き、アレッサンドロはジョルジュの奇妙な話に好奇心を刺激される。やがて詩と十字架の絵を手掛かりに“宝探し”を決行し、仲間を引き連れてジョルジュと共にトスカーナへと向かう。
タイトルの”君が望むものはすべて”は詩に書かれた言葉。
孤独な老人と愛に飢えた青年が心を通わす物語でとっても見応えがあった。しかしながら仲間のリッカルドのママのクラウディアにぞっこんのアレッサンドロはやはりマザコン?
主演のアレッサンドロを演じたアンドレア・カルペンツァーノはキュートなだけではなく演技も素晴らしかった。
有楽町朝日ホールにて