2018年 06月 30日
「結婚演出家」
「Il regista di matrimoni」…aka「The Wedding Director」2006 イタリア/フランス
娘が結婚したばかりの映画監督フランコ・エリカはアレッサンドロ・マンゾーニの小説”いいなづけ”を撮ろうとしている。そんなある日、ミステリアスな女性がフランコを訪ねて彼の事務所にやって来る。しかしアポイントメントがないためフランコには会えず去って行く。その後シチリアに行ったフランコは浜辺で新婚カップルの記念映画の撮影に遭遇する。記念映画の撮影監督エンツォはフランコ・エリカの大ファンで、誘われるまま彼の家に滞在することになる。そんな折、パラゴニア荘に住む貴族フェルディナンド・グラヴィーナがやって来る。グラヴィーナはパラゴニア荘を維持するため娘ボーナを金持ちの男と結婚させようとしていた。パラゴニア荘に興味を持ったフランコは館に忍び込む…
フランコはグラヴィーナからボーナの結婚記念映画の撮影監督に命じられる。やがてボーナがローマのフランコの事務所にやって来たミステリアスな女性だとわかり、ますますボーナに惹かれていく。
ボーナは金持ちの男と結婚したのだろうか?フランコとボーナの駆け落ちは成功したのだろうか?
見ている者はフランコの夢と現実の境がわからなくなって行ってもどかしい。あれはやはりフランコの妄想だった?
本作はイタリア映画祭2007で上映された時に見ることができなかった一作。イタリア映画祭2018で盛んに宣伝していて一般公開があることを知った。で、今回ようやく見ることができた。
フェデリコ・フェリーニの「8 1/2/1963」のような映画かな?と思っていたけど、またちょっと違う。しかし「8 1/2」や、ルキノ・ヴィスコンティの「山猫/1963」などへのオマージュは感じられてナイス。
フランコ・エリカに「赤いアモーレ/2004」「頭を上げて/2009」「ある愛へと続く旅/2012」のセルジョ・カステリット。
ボーナ・グラヴィーナに「昼下がり、ローマの恋/2011」「海と大陸/2011」「君が望むものはすべて/2017」のドナテッラ・フィノッキアーロ。
フェルディナンド・グラヴィーナに「恋のマノン/1967」「夕なぎ/1972」のサミー・フレイ。
エンツォ・バイオッコに「夜よ、こんにちは/2003」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のブルーノ・カリエッロ。
マッダレーナ・バイオッコに「題名のない子守唄/2006」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のシモーナ・ノービリ。
監督、脚本は「夜よ、こんにちは/2003」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」「甘き人生/2016」のマルコ・ベロッキオ。
ヒューマントラストシネマ有楽町/Viva!イタリア vol.4にて