2018年 06月 09日
「ファントム・スレッド」
「Phantom Thread」 2017 USA/UK
1950年代のロンドン。レイノルズ・ウッドコックは天才的仕立て屋で英国のオート クチュール業界の中心的人物。ある日、訪れたレストランで若いウェイトレスのアルマと出会う。アルマを気に入ったレイノルズはディナーに誘い食事の後自分の別荘に連れ帰る。やがてレイノルズは自分好みの“完璧な身体”を持つアルマに創作意欲を掻き立てられ、彼女をモデルにドレスの製作を開始する…
支配しまくるエゴイスト男を操り自分のものにしてしまった女。
”私はここに住んでいるの””私の名前はアルマよ”と、ただのお針子ではないことをレイノルズの顧客に主張する健気なアルマ。訪ねてきたドクターに”何かあれば連絡くださいミセス・ウッドコック。”と言われ、結婚してないながらも訂正しないしたたかなアルマ。ドクターを見送るシーンでレイノルズの姉シリルと愛人アルマとの沈黙の闘いが面白かった。そう女はコワイ。
しかし何と言っても圧巻はキノコ。微笑みながら毒キノコを炒めるアルマ。レイノルズの嫌いなバターをたっぷりと入れて…。そして再び具合が悪くなったレイノルズに”私があなたの世話をしてあげるわ”と宣うアルマ。異常とも思える二人の愛情が何ともスゴい。
キノコの件では「The beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ/2017」を思いだしたのは言うまでもないが、種類によってはキノコで簡単に毒殺することはできないということを知った。
ダニエル・デイ=ルイスは完璧主義の支配者が実に似合う。80~90年代のダニエル・デイ=ルイスといえば「存在の耐えられない軽さ/1988」「マイ・レフトフット/1989」「父の祈りを/1993」と、どの作品も素晴らしい。
アカデミー賞主演男優賞3度の受賞はダニエル・デイ=ルイスただ一人というのにも納得。そして本作を最後に引退するらしいが、彼、じいさん役はきっとNO!なのだろう?
ダニエル・デイ=ルイスはもちろん、ヴィッキー・クリープスとレスリー・マンヴィルがナイスキャスティング。50年代のオート クチュールが美しい!
オスカーの作品、監督、主演男優、助演女優にノミネートされ、衣裳デザイン賞を受賞している。
レイノルズ・ウッドコックに「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド/2007」「NINE/2009」「リンカーン/2012」のダニエル・デイ=ルイス。
アルマ・エルソンに「殺意は薔薇の香り/2013」「コロニア/2015」のヴィッキー・クリープス。
シリル・ウッドコックに「ロンドン、人生はじめます/2017」のレスリー・マンヴィル。
監督、脚本、製作は「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」「ザ・マスター/2012」のポール・トーマス・アンダーソン。
新宿武蔵野館にて
その間もずっとブログ拝読しております。
東京に戻ってきて、映画館で映画鑑賞出来るようになり
君の名前で僕を呼んで」「ファントムスレッド」と鑑賞したところで「さよなら僕のマンハッタン」を管理人様のレヴューで知り見てきました。
とても良かったです。「500日のサマー」より気に入りました。
「ファントムスレッド」、音楽がよかったなと思いました。
これからもブログ楽しみにしております。
彼女を気に入って呼び寄せたものの、徐々に彼女のペースに嵌っていくレイノルズが気の毒でした。
この時代、余程の信頼関係がないとキノコ料理は食べられないですね^^;
こんばんは。
いつも見に来てくださってありがとうございます。
「さよなら僕のマンハッタン」は全く期待していなかったのですが
素敵な映画で満足満足でした。そうですね「500日のサマー」よりナイス!
「ファントムスレッド」はとても見ごたありました。
やはり出演陣のせいでしょうか?
そう音楽も良かったですね。
こんばんは。
そうですこれも一つの愛の形なんですね。
レイノルズが気の毒でしたか?
私はアルマに感情移入していたのでエゴイスト男がヨレヨレになっていくのが
面白かったです。
キノコはマーケットものしか食べない方が良さそうですね。
ロマンティックなだけではない、ちょっぴり怖い心理劇でした。
ダニエル・デイ=ルイスは、こういうエキセントリックな役柄が似合いますね。
完璧主義でも知られる彼、レイノルズとは通じるところがあるのかもしれません。
アルマが装う数々のドレスは眼福でした。
レスリー・マンヴィル、最初はカトリーヌ・フロかと思いました。^^
ちょっとぞくっとくる展開でした。
ダニエル・デイ=ルイスは役者ですね。どのような役柄でも完璧に演じるところはスゴイ!
なと思います。で、彼の引退は実に残念です。
これからは靴作りを楽しむのでしょうね。そしてドレスも作るのかも?
レスリー・マンヴィル、とカトリーヌ・フロって似てます?