2017年 04月 29日
「午後8時の訪問者」
「La fille inconnue」…aka「The Unknown Girl」2016 ベルギー/フランス
ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ兄弟が描くヒューマン・サスペンス。
ジェニーに「水の中のつぼみ/2007」「メゾン ある娼館の記憶/2011」「黒いスーツを着た男/2012」のアデル・エネル。
ジュリアンにオリヴィエ・ボノー。
ブリアンにルカ・ミネラ。
ブリアンの父に「サンローラン/2014」のジェレミー・レニエ。
ランバートに「ダゲレオタイプの女/2016」のオリヴィエ・グルメ。
監督、脚本、製作は「ロゼッタ/1999:息子のまなざし/2002」「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「少年と自転車/2011」「サンドラの週末/2014」のジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。
ベルギーのとある街。小さな診療所に勤めるジェニーは有能な女性医師で、間もなく大きな病院に迎えられる予定。そんなある夜、診察時間外に呼び鈴が鳴り研修医のジュリアンがドアを開けようとするがジェニーはそれを引き止める。翌日刑事がやって来て、近くで身元不明の少女の遺体が見つかったことを知らされる。そして刑事が調べたところ診療所の監視カメラにその少女の姿が映っていた…
ダルデンヌ兄弟の描く世界はいつも社会の底辺に住む人々が主人公。ジェニーは抱える患者から携帯に電話がかかると車で駆けつける。このようなドクターがいる街の住人て幸せだなぁ!と感心した。
ジェニーはとても人間味のあるドクターで、移民の患者にも手厚い治療を施している。そして彼女は優しい人間であるがゆえ、自分のせいで身元不明の少女が殺されてしまったかも知れないという欺瞞に苛まれ、事件に深入りしてしまう。そのせいで自身が危険にさらされることになるとは知らずに…。
身元不明の少女はアフリカからやって来た移民で、昨今のヨーロッパの世情を反映していて興味深い。
熱血漢のジェニーは研修医のジュリアンを思ってこそキツく当たったのだが、一時彼は自身をなくして医者をやめるという。しかしジェニーの説得で自信を取り戻すジェリアンが爽やかでラストには胸を撫で下ろした。
ヒロインのアデル・エネルが好演している。そしてダルデンヌ兄弟常連のオリヴィエ・グルメ&ジェレミー・レニエも脇を固めてナイス・キャスティング。
新宿武蔵野館にて
margot~さん
素敵な女性ですね!
眼差しは何を語るの・・・・・でしょう?
「いつもありがとう」
こんばんは。
目は口ほどにモノを言うらしいですが、この女性の眼差しは鋭かったですね。
こちらこそ、いつも見に来て下さってありがとう!
日本の邦題だといかにもミステリー風でしたが
ふたを開ければヒューマンドラマに近かったですね。
まったりと進む展開に途中で何度も睡魔が来てしまいました。
なので診療所のトイレで首つり失敗した親父が誰なのか未だ分かってません(←おい)^^;
こちらににも〜
邦題は確かにミステーっぽいですね。原タイトルの“無名の少女”じゃ
ちょっと受けない気もしますし...。
ダルデンヌ兄弟が描くとサスペンスもヒューマン・ドラマぽくなるなぁと感じます。
この監督の描く世界はいつもゆっくりと進んで睡魔に襲われる可能性は高いです。
さて診療所のトイレで失敗したのはジェニーの患者のブリアンの父親ですよ。