2018年 04月 18日
「修道士は沈黙する」
「Le confessioni」…aka「The Confessions」2016 イタリア/フランス
バルト海に面した高級ホテルでG8の財務相会議が開かれようとしている。会議前夜、国際通貨基金の専務理事ダニエル・ロシェは、各国の財務相に加えて、世界的なポップスター、有名な絵本作家クレール・セス、そしてイタリア人修道士ロベルト・サルスを招いて自らの誕生日を祝う夕食会を催す。夕食後、サルスはロシェに呼び出され懺悔をしたいと告げられる。やがてサルスがロシェの懺悔を聞いて部屋に戻った翌朝、頭からビニールをかぶった姿で死んでいるロシェが発見される…
他殺か?自殺か?警察の極秘操作が始まる。案の定、最後に会った人物としてサルスは一番に疑いをかけられるが戒律に従って沈黙を守り通すのだった。
G8の財務相会議では発展途上国の経済に影響を与えかねない重大な決定が下されようとしていた上、各国の財務相の間では政治的な駆け引きが始まろうとしていた。そんな中、サルスは自らの思いを語り始める。
今日本では財務省が大変なことになっているけど、このドラマに登場する各国の大臣たちの行動が怪しくて笑える。
修道士ロベルト・サルスが元数学者だったという件が面白い。そして疑われているサルスにこっそり情報を提供するクレールがニクい。
ラスト、ドイツ経財相の獰猛な犬が飼い主に歯向かった後、修道士サルスについて行く姿が微笑ましくて素敵だった。
トニ・セルヴィッロ最高!
本作は「告解」というタイトルでイタリア映画祭2017で公開された。その時見たかったが配給が付いていたので見送った。
トニ・セルヴィッロ主演で、監督は「そして、デブノーの森へ」「ローマに消えた男」のロベルト・アンドー。おまけにダニエル・オートゥイユ、モーリッツ・ブライブトロイ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、コニー・ニールセン、マリ=ジョゼ・クローズetc.と素晴らしくInternationalな俳優陣。日本の大臣役で伊川東吾も出演している。
大好きなドイツ人俳優モーリッツがサルスとイタリア語で話している。彼は英語とフランス語も堪能で、ドイツ人て多言語OKな人多いなと感心していたら、デンマーク人のコニー・ニールセンは8ヶ国語堪能だそう。北欧の人が一番多言語OKのように思える。
ロベルト・サルスに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」「自由に乾杯!/ローマに消えた男/2013」のトニ・セルヴィッロ。
ダニエル・ロシェに「世界にひとつの金メダル/2013」「殺意は薔薇の香り/2013」のダニエル・オートゥイユ。
クレール・セスに「ある愛の風景/2004」のコニー・ニールセン。
マルク・クラインに「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「消えた声が、その名を呼ぶ/2014」「ドッペルゲンガー 凍てつく分身/2014」のモーリッツ・ブライブトロイ。
イタリアの大臣に「暗黒街/2015」のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
カナダの大臣に「誰のせいでもない/2015」のマリ=ジョゼ・クローズ。
ドイツの大臣に「イングロリアス・バスターズ/2009」「ラストミッション/2014」のリヒャルト・サメル。
ロシアの大臣に「オーケストラ!/2009」のアレクセイ・グシュコフ。
日本の大臣に伊川東吾。
フランスの大臣に「ふたりの5つの分かれ路/2004」「パリ3区の遺産相続人/2014」のステファーヌ・フレス。
アメリカの大臣にジョン・キーオ。
イギリスの大臣にアンディ・デ・ラ・トゥアー。
ロシェの友人キスに「フランス組曲/2014」「5時から7時の恋人カンケイ/2014」のランベール・ウィルソン。
監督は「そして、デブノーの森へ/2004」「自由に乾杯!/ローマに消えた男/2013」のロベルト・アンドー。
Bunkamura ル・シネマにて