2018年 03月 07日
「ロープ 戦場の生命線」
「A Perfect Day」2015 スペイン
1995年、停戦直後のバルカン半島。ある日、ある村で井戸の中に死体が浮いているのが発見される。国際援助組織“国境なき水と衛生管理団”のマンブルゥは死体の引き上げを試みるが重さに耐えかねたロープが切れてしまう。やがて大切な水が汚染されて困っている村人たちの前に、水を高値で売る犯罪組織のトラックが現れる…
オープニングに”バルカン半島のどこか…”の案内が出る。ロケーションはスペイン。
井戸の中に死体を投げ込んだのは犯罪組織の仕業で、マンブルゥたちがロープを探しに地雷の埋まる危険地帯を右往左往する1日を描いたブラック・コメディ。
国際援助組織“国境なき水と衛生管理団”と称する彼らがマジでオカシイ。ラストで現タイトル「A Perfect Day」が語られる。彼らにとってその日はまさに「A Perfect Day」だった。
国際援助組織のメンバーは、実際にプエルトリコ、フランス、ウクライナ、スペイン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、そしてアメリカ合衆国出身とスーパーinternationalな出演者たち。
ベニチオ・デル・トロはお気に入り俳優の一人。そしてティム・ロビンスが懐かしい!「いとしい人/2007」はシアターで見てるんだけどティム・ロビンスが彼自身で出演しているシーンの記憶が飛んでいる。数々のフランス映画に出演するセルジ・ロペスの出番がもう少しあれば良かったのだけど…。
エンディングに、ピート・シーガーが作り、60年代に世界中で大ヒットした反戦歌”花はどこへ行った/Where Have All The Flowers Gone?”が流れ、改めてその美しくも悲しい歌詞に圧倒される。
カンヌ国際映画祭の公式上映では、スタンディングオベーションが10分間続いて絶賛されたそう。そして世界中で大ヒットした傑作とのこと。
戦争映画をユーモアたっぷりで描いた本作は確かに傑作。
マンブルゥに「エスコバル 楽園の掟/2014」「ボーダーライン/2015」のベニチオ・デル・トロ。
ビーに「あなたになら言える秘密のこと/2005」「ショーシャンクの空に/1994」のティム・ロビンス。
ソフィーに「ラルゴ・ウィンチ/2008」「ザ・ダンサー/2016」のメラニー・ティエリー。
カティヤに「ある天文学者の恋文/2016」のオルガ・キュリレンコ。
ダミールにフェジャ・ストゥカン。
ゴヨに「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」のセルジ・ロペス。
監督、脚本、製作は「カット!/1996」のフェルナンド・レオン・デ・アラノア。
新宿武蔵野館にて
反戦へのメッセージを織り込みながらも
ゆる~いテイストでユーモアたっぷりに描かれているところがよかったです。
俳優たちも魅力的でしたね。
出身がみごとに全員違うというのがすごい!
「花はどこに行った」でさりげなく主張される悲しみが
本作のテイストにぴったり合っていました。
こんばんは。
何と言っても俳優たちが魅力的でしたよね。
>ゆる~いテイストでユーモアたっぷり...
そうそう巧みに描かれていてすごく見応えありました。
ラストに流れる反戦歌「花はどこに行った」はインパクトあり
上手いなぁと、こちらにも感心した次第です。