2018年 02月 09日
「はじめてのおもてなし」
「Willkommen bei den Hartmanns」…aka「Welcome to Germany」2016 ドイツ
ミュンヘンの閑静な住宅地に暮らすリヒャルトとアンゲリカ夫婦。夫は外科医で妻は元教師。生き甲斐を失い暇を持て余すアンゲリカは、ある日突然難民を受け入れると宣言する…
リヒャルトは老いを受け入れることができずシワとり治療に夢中。
アンゲリカは暇を持て余し、日々ワインが手放せなせないアル中。
フィリップは妻と離婚しシングル・ファーザーとなっても仕事一筋で息子に無視されている。
ゾフィは30代になった今も親の金で大学に通っている。
...と問題を抱えた人ばかり。
しかしナイジェリアからの難民ディアロを受け入れたことで、それぞれに問題を抱えバラバラだったハートマン・ファミリーが家族の絆を取り戻しハッピーなエンディングを迎える。少々出来過ぎかとも思えるが、まぁ映画だから許してしまった。
ディアロはイスラム過激派により家族全員が殺害され天涯孤独となってドイツに逃れてきた。しかしこの地でテロリストに勘違いされ、一時亡命申請が通らなかったりして…。
ドラマの中、人種差別的発言が交わされるシーンや、ハートマン家の隣人がナチっぽく描かれているのも面白い。
ドイツが抱える難民問題をテーマに描いたヒューマン・コメディは「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~」同様ハートウオーミングなストーリー。ドイツ製作で立て続けにハートフルな映画を2本公開とは実に珍しい。
センタ・バーガーはハリウッドやヨーロッパ映画に多数出演した往年の女優でオーストリア出身。てっきりハリウッド女優だと思っていた。監督はセンタ・バーガーの息子。
フィリップを演じるフロリアン・ダーヴィト・フィッツは「君がくれたグッドライフ」では難病役だったけど、本作では一転してコメディに徹していて可笑しい。
アンゲリカ・ハートマンに「ちょっとご主人貸して/1964」「悪魔のようなあなた/1967」のセンタ・バーガー。
Dr.リヒャルト・ハートマンに「ドレスデン、運命の日/2006」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2011」のハイナー・ラウターバッハ 。
フィリップ・ハートマンに「君がくれたグッドライフ/2014」の フロリアン・ダーヴィト・フィッツ。
ゾフィ・ハートマンにパリーナ・ロジンスキー。
Dr.タレク・ベルガーに「THE WAVE ウェイヴ/2006」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のエリアス・エンバレク。
ディアロ・マカブリにエリック・カボンゴ。
監督、脚本、製作は「デッド・フレンド・リクエスト/2015」のジーモン・ファーフーフェン。
シネスイッチ銀座にて