2018年 01月 27日
「ヒトラーに屈しなかった国王」
「Kongens nei」…aka「The King's Choice」2016 ノルウェー
1940年4月9日のノルウェー、オスロ。宮殿の庭で孫と雪遊びに興じるホーコン7世はナチスドイツが侵攻してきたことを皇太子のオラフ5世から知らされる。やがてノルウェー軍が参戦するが軍事力に乏しいノルウェーの主要都市は次々と陥落して行く。
一方で駐ノルウェー・ドイツ公使ブロイアーはヒトラーの命を受けホーコン7世に降伏を求める。ホーコン7世の兄でデンマーク王のクリスチャンは既にナチスドイツに降伏していた。しかしホーコン7世はブロイアーの要求に抵抗する…
ナチスドイツに降伏を迫られたノルウェー国王ホーコン7世が決断を下すまでの3日間を描いた歴史ドラマで、母親や兄弟とアメリカ合衆国に亡命していたハーラル(ハーラル5世現国王)とホーコン7世が再会を果たすシーンでラストを迎える。その時、幼い頃に別れた国王の可愛い孫は少年に成長していた。
公式サイトに”私は決断する...愛する国民のために。”とあるように国王の心意気が感じられる見応えのある歴史ドラマだった。
鑑賞したのは最終上映の週。で、また驚いたのはシアターがかなり混雑していたこと。前回見た「ルージュの手紙」もそうだったが、このシアターはなぜか?作品の上映期間が短い気がする。
かつてこの国はスウェーデン=ノルウェー連合王国だった。
ノルウェーといえばヴァイキング、フィヨルドと、スーパーの魚売り場に並ぶアトランティックサーモン。ノルウェーサバもよく見かける。
ノルウェーで思い出したのはベント・ハーメル監督。彼の作る映画「ホルテンさんのはじめての冒険/2007」「クリスマスのその夜に/2010」は独特の世界で、ハーメル監督以外のノルウェー映画も風変わりものが多い。一部のノルウェーの人の感性って独特(個性的)なのかも知れない。
主演のイェスパー・クリステンセンは「僕とカミンスキーの旅」の天才画家や「007シリーズ」のMr.ホワイトとは全く別人の顔を見せる稀有な俳優。ノルウェー語、ドイツ語、英語と作品によって異なった言語で話す彼は何ヶ国語話せるのだろう?なんて想像してしまう。本作のノルウェー国王役も似合っている。
ホーコン7世(ノルウェー国王)に「僕とカミンスキーの旅/2015」 のイェスパー・クリステンセン。
オラフ5世(ノルウェー皇太子)に「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のアンドレス・バースモ・クリスティアンセン。
マッタ(ノルウェー皇太子妃)に「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」のツヴァ・ノヴォトニー。
ブロイアー(駐ノルウェー・ドイツ公使)に「マーラー 君に捧げるアダージョ/2010」のカール・マルコヴィクス。
アンネリーゼ(ブロイアーの妻)に「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のカタリーナ・シュットラー。
ダイアナ(ドイツ公使館秘書)に「ヒトラー ~最期の12日間~/2004」のユリアーネ・ケーラー。
監督は「おやすみなさいを言いたくて/2013」のエリック・ポッペ。
シネスイッチ銀座にて(既に上映終了)