2017年 11月 13日
「はじまりの街」
「La vita possibile」2016 イタリア/フランス
アンナに「私と彼女/2015」のマルゲリータ・ブイ。
カルラに「あなたたちのために/2015」のヴァレリア・ゴリノ。
ヴァレリオにアンドレア・ピットリーノ。
ラリッサにカテリーナ・シュルハ。
マチューに「情痴アヴァンチュール/2005」「スウィッチ/2011」のブリュノ・トデスキーニ。
監督、脚本は「われらの子供たち/2014」のイヴァーノ・デ・マッテオ。
ローマで一人息子ヴァレリオと暮らすアンナは夫の暴力に耐えきれず家を飛び出す。そして親友のカルラを頼りトリノに向かうのだった…
カルラはシングルの売れない女優で、叔母が残した小さな家に住んでいる。アンナとヴァレリオは暖かく迎えてくれたカルラの家にしばし居候することになる。やがてアンナは仕事を探し始めるが、ヴァレリオは知らない土地で孤独に苛まれて行く。ローマには友人がいたが、トリノにはいない。“自分の部屋もないなんて耐えられない!”と怒りを爆発させるヴァレリオが可哀想でならなかった。彼は思春期真っただ中。この頃の男の子ってかなり難しい時期。その時期に父親が母親に暴力を振るう所を目の当たりにした上、知らない土地に連れて来られたのだから精神的にとても辛かったに違いない。
ドラマはアンナの息子ヴァレリオを中心に描かれ、彼が偶然出会った娼婦ラリッサに恋をしたり、カルラのアパートの下の階に店を構えるマチューとの交流を挟みながら進んで行く。
原題は“人生は可能”という意味。邦題の「はじまりの街」もラストの展開にマッチしていて素敵だ。
舞台となったトリノの街が美しい。イタリアってどこの街も絵になる様子。
ラリッサを演じるカテリーナ・シュルハはベラルーシ生まれのチャーミングな女性。
テーマ曲となるシャーリー・バッシーの名曲"This Is My Life"がヒロインにぴったり。
少々期待して見に行ったけど...残念ながらそれほどでもなかったかな?と思ったけど、ヴァレリオ役のアンドレア・ピットリーノの青い瞳が吸い込まれそうに美しいし、ハンサム・ボーイの彼が頑張っているので許してしまった。
上映館の岩波ホールは中高年が多いシアターで、本作を見た時もそうだった。
何はともあれシアターは思ったより入っていて、いつものことながらイタリア映画をもっと公開して欲しいなと切に願った。
岩波ホールにて