2017年 11月 07日
「婚約者の友人」
「Frantz」2016 フランス/ドイツ
第一次世界大戦(1914年~1918年)が終結したドイツのとある街。ある日、戦争で婚約者フランツを亡くしたアンナは墓の前で花を手向け泣いている男性を目の当たりにする。その後アドリアンと名のる男性がフランツの家族を訪ねて来る。アンナは墓地にいた人だと認め驚きを隠せない。最初フランツの父親ハンスはフランス人のアドリアンを拒否するが、彼の妻のマグダはフランツと友人だったと話すアドリアンに好意を抱き始める...
アドリアンに「キリマンジャロの雪/2011」「イヴ・サンローラン/2015」「パーフェクトマン 完全犯罪/2015」のピエール・ニネ。
アンナに「ルートヴィヒ/2012」のパウラ・ベーア。
ハンスに「クリムト/2006」のエルンスト・シュトッツナー。
マグダにマリー・グルーバー。
クロイツに「顔のないヒトラーたち/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のヨハン・フォン・ビューロー。
フランツにアントン・フォン・ルケ。
アドリアンの母に「三重スパイ/2003」のシリエル・クレール。
ファニーに「夏時間の庭/2008」「あの夏の子供たち/2009」「ショコラ~君がいて、僕がいる~/2015」のアリス・ドゥ・ランクザン。
監督、脚本は「彼は秘密の女ともだち/2014」のフランソワ・オゾン。
原タイトルは「フランツ」。
映画はモノクロ。でも時々カラーになる。それはフランツが登場する時と、アドリアンがフランツを思う時の様に映る。どのような展開になるのか?全く予測のつかないドラマだった。
アドリアンはいつまでも偽り続けることが出来ずに思い悩み、アンナにだけ真相を打ち明ける。そう彼はフランツの家族に嘘を語っていたのだ。
ロケされたドイツの街(旧市街)の石畳が美しい。ドラマにはパリのルーヴル美術館も登場する。そこに飾られたマネの“自殺”という絵画。この絵画は初めて見た。ちょっと調べてみたらスイスのチューリッヒにある印象派の美術館ビュールレ・コレクションにあるそう。ドラマの背景となる時代にはルーヴル美術館に飾られていたことを知った。そしてこの時代オルセー(1986年開館)はまだ存在していなくて、今現在オルセーに飾られているマネの“草上の昼食”はルーヴルに展示されていた様子。その絵画がドラマの中に“自殺”と一緒に映るがひょっとしてフェイク?
ラスト、マネの“自殺”が大きな役割を果たしている。
オゾン映画は色々と見ているが、サスペンス仕立てもないし、ウイットに富んだ会話が交わされるわけでもなしで、純粋の悲恋映画のノリ...全くオゾンらしくないなぁと感じた。
アドリアンを演じるピエール・ニネは「イヴ・サンローラン」でとても本人に似せて演技していて感心した。彼は顔が暗いのか?悲しい表情がとても似合う俳優。本作の彼も常に暗い表情を見せている。
wowowで見た「パーフェクトマン 完全犯罪/2011」の彼も悲しい表情満載だった。それはちょっと気になる映画だったのでレビューを書きたいと思っている。
シネスイッチ銀座
こんばんわ。これはツタヤで借りて見たんですが、
訪ねてくるフランス男が大変美しいので、きっと何かエロチックな関係があったりんだろうと期待していると、肩透かしでしたね。オゾンの性的傾向から、そういうものを期待するのですが、自分自身を描くって難しいのでしょうかね?最近ロバート・キャンベル氏がカミングアウトして驚きました。勇気がありますね!某政治家の某「生産性」云々に反発するためで、そうでもしなくちゃ馬鹿な政治家がのさばるばかりの日本ということでしょうか。それにしてもインドネシアで乱行に及んだバスケ選手にはあきれてため息が出ます。いちいち批判していたら身が持たないけれど。映画と関係のない話を長々として失礼しました。真夜中に・・・・・・。
こんばんは。真夜中にコメントありがとうございます。
実は私もフランス男と亡くなった婚約者は絶対関係あったと想像しながら見ていたので
そう肩透かしでした。
今まで見たオゾン映画でのゲイものは「ぼくを送る」と「ムースの隠遁」ですが
「ムースの隠遁」はさわりだけしか描いていないですが「ぼくを送る」はストレートに描かれてますね。
「ぼくを送る」は良い映画でした。
TVでよく見かけるロバート・キャンベル氏のカミングアウトは知りませんでした。
某政治家の「生産性」はいつしか報道されなくなりましたが、あの政治家どうしているのでしょう?
インドネシアでの売春は衝撃でしたね!本当呆れます。