2017年 10月 29日
「愛を綴る女」
「Mal de piers」…aka「From the Land of the Moon」
1950年代の南フランス、プロヴァンス。両親、妹と暮すガブリエルは美しい娘で情熱的な愛を求めている。ある時、地元の教師に恋心を抱き告白するが悲恋に終わってしまう。精神が不安定なガブリエルの行動は異常で、心配した母親は彼女をリヨンの病院へ入れようと考える。しかしガブリエルはこれを拒否。そこで母親は“病院へ入るか?結婚するか?”の選択肢をガブリエルに宣告する...
ガブリエルに「アサシン クリード/2016」のマリオン・コティヤール。
アンドレ・ソヴァージュに「サンローラン/2014」のルイ・ガレル。
ジョゼに「ローマ法王になる日まで/2015」「しあわせな人生の選択/2015」のアレックス・ブレンデミュール。
ガブリエルの母親アデルにブリジット・ルアン。
ガブリエルの妹ジャニーヌに「シャトーブリアンからの手紙/2011」のヴィクトワール・デュボワ。
監督、脚本は「ヴァンドーム広場/1998」「Mの物語/2003:出演」「海の上のバルコニー/2010」のニコール・ガルシア。
原作はミレーナ・アグスの「祖母の手帖」。
母親が選び出したガブリエルの結婚相手はスペインから来た季節労働者のジョゼ。ガブリエルにとって不本意な相手だったが受け入れるしかない。ジョゼと結婚したガブリエルは“あなたを決して愛さない。”と宣言するが、ジョゼも“俺も愛していない。”と答える。しかし時がたち、意外なことに二人のsexは官能的なものになって行く。やがてガブリエルは妊娠するが結石が原因で流産し、結石治療のためアルプスの療養所に滞在することになる。そこで彼女はインドシナ戦争で負傷した帰還兵アンドレ・ソヴァージュと運命的に出逢うのだった。
アンドレとの出逢いと別れ…ガブリエルの妄想か?と思われるシーンがあり少々戸惑ったが、後に説明が入って、上手く描いたなと感心した。“俺も愛していない。”と答えたはずのジョゼの愛情を感じる素敵なシーン。
全体的に超暗いドラマながらエンディングは晴れやかで何より。
マリオン・コティヤールの日本公開映画は今年何と4本(2016年製作)!もちろん全てシアターで見ている。40歳を過ぎたマリオンが少女のようなドレスを着て未婚の若い女性を演じているが違和感はない。とても若くて美しくて驚く。そして監督ニコール・ガルシアはマリオンのスケジュールが空くまで5年待ち続けたという。
ロケ地はフランス、ヴァロンソルとリヨン。スイス、グラウビュンデンのダボス、スペインのアンダルシアなどなど素晴らしい景色が楽しめる。
ガブリエルの実家が経営するラヴェンダー畑の舞台となるヴァロンソルは素晴らしく美しい!
グラウビュンデンのダボスはガブリエルの静養先の療養所として使われている。
10年以上前に南フランスのラヴェンダー畑を見に行こうと計画したけど、満開のシーズンに出かけるのが難しくて叶わなかったのを思い出した。
カトリーヌ・ドヌーヴの「ヴァンドーム広場」はシアターで鑑賞。エマニュエル・ベアールの「Mの物語」と、ジャン・デュジャルダンの「海の上のバルコニー」はwowowで鑑賞した。「海の上のバルコニー」は素敵な映画だった。
新宿武蔵野館にて