2017年 03月 29日
「汚れたミルク あるセールスマンの告発」
「Tigers」2014 インド/フランス
1994年、パキスタン。新婚のアヤンは製薬会社のセールスマン。しかし国内で生産された薬は売れなくて収入も少ない。ある時、妻のザイナブが“世界的に名の知れた大手グローバル企業の面接を受けてみれば!”と提案してくる。アヤンのセールスマンとしての熱意を認めた企業は彼を採用する。日々病院巡りに励み会社の粉ミルクを精力的に売り込むアヤンは、気がつけばトップセールスマンになっていた。しかしある日、ドクター・ファイズから、病院に売り込んだ粉ミルクのせいで乳幼児が亡くなるという衝撃的な事実を聞かされる...
アヤンにイムラン・ハシュミ。
ザイナブにギータンジャリ。
アレックスに「ナイロビの蜂/2005」「ビッグ・アイズ/2014」のダニー・ヒューストン。
ナディームに「君のためなら千回でも/2007」「グリーン・ゾーン/2010」「われらが背きし者/2016」のハリド・アブダラ。
マギーに「007/リビング・デイライツ/1987」「美しき運命の傷痕/2005」のマリアム・ダボ。
フランクに「もうひとりのシェイクスピア/2011」「レイルウェイ 運命の旅路/2013」「ベル ~ある伯爵令嬢の恋~/2013」のサム・リード。
ビラルに「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日/2012」「マダム・イン・ニューヨーク/2012」のアディル・フセイン。
ドクター・ファイズにサティエーディープ・ミシュラ。
監督、脚本は「ノー・マンズ・ランド/2001」「美しき運命の傷痕/2005」のダニス・タノヴィッチ。
パキスタンで実際に起こった事件をモチーフにしたドラマは、アヤンの告発を取材してドキュメンタリー番組を作る映画作家アレックスのシーンから始まる。
水道環境が良くないパキスタンで粉ミルクを強引に販売した結果、汚染水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児が死亡する事件が多発する。苦しむ乳幼児を目の当たりにしたトップセールスマンのアヤンは会社の上司ビラルに訴えるが、話を聞くどころか逆に脅されてしまう。やがて正義感に燃えるアヤンは世界的巨大企業に孤高の闘いを挑むが、彼の告発の前には圧倒的な権力の壁が立ちはだかる。
巨大企業を相手にしたこの問題はまだ未解決のままで、アヤンはパキスタンを離れ妻子と共にカナダで暮らしている。
とても重いテーマで描かれた衝撃作は中々見応えがあった。
アヤンを演じるのはボリウッド映画の人気スター、イムラン・ハシュミ。ボリウッド映画を見ないのでイムラン・ハシュミを見たのはもちろん初めて。真面目で家族想いのアヤン役を好演している。ドキュメンタリーのようにも見えるリアルなドラマは、イムラン・ハシュミの演技が素晴らしいことに他ならない。
全く趣の異なるイムラン・ハシュミのボリウッド映画が見てみたくなった。
シネマカリテにて
こういう事件があったことを知らなかったので、衝撃を受けました。
最初は、企業のせいではないのでは?と思いながら見ていましたが
パキスタンならではの事情があったのですね。
子どもたちのためにたったひとりで巨大企業に立ち向かうアヤン
そして自分の信念のために戦うようにと支える家族たちに心打たれました。
イムラン・ハシュミ、私も初めて知りましたが
どことなくコリン・ファレルに似ているような??
この作品でしっかりインプットされました。^^
こんばんは。
こういった出来事はニュースにかからないから知らないのも当然ですよね。
>パキスタンならではの事情...ホントそのようです。
アヤンの妻や両親が彼の行動に理解を示し、妻は後押しまでしていましたよね。
子供たちのために立ちあがったアヤンの行動は素晴らしい!と思います。
コリンに似てますよね。私も見ている間ずっとそう思っていましたよ。