「ヒトラーへの285枚の葉書」

Alone in Berlin2016 UK/フランス/ドイツ

a0051234_18450042.jpg

19406月、ベルリン市民は戦勝ムードに沸いていた。そんなある日、工場で働くオットーと妻アンナの元に、ドイツ軍から1通の封書が届く。それは出征した一人息子ハンスの戦死の知らせだった。ヒトラーのせいでハンスは死んだ!と夫に訴えるアンナ。やがてオットーはカードとペンを手に取り、ヒトラーを批判する言葉を書き始める...


アンナ・クヴァンゲルに「美女と野獣/2017」エマ・トンプソン。

オットー・クヴァンゲルに「アサシン クリード/2016」ブレンダン・グリーソン。

エッシャリヒ警部に「僕とカミンスキーの旅 /2015」ダニエル・ブリュール。

プラル大佐に「悪党に粛清を/2015」ミカエル・パーシュブラント。

監督、脚本は「インドシナ/1992」「王妃マルゴ/1994」「天使の肌/2002:監督/脚本」「皇帝と公爵/2012」(ほとんど)チャーミングな王子/2013」のヴァンサン・ペレーズ。


オットー一人がやり始めたことだが、後にアンナが共に行動しカードを公共の場所にそっと置く日々が始まる。書き込みは指紋がつかないよう手袋をはめて行う慎重さ。

オットーが街中の店でカードを購入するシーンを見て証拠として残らないのか?とハラハラしたが、ある時、別人が逮捕され、後にオットーが逮捕されたのは他でもない彼が働く工場だった。


実話が元の映画なのでオットーとアンナの結末はわかっている。しかし何とかバレないでいて欲しいと願いながら見ていた。

原タイトル“Alone in Berlin”が語るように、オットーとアンナは単独でペンとカードでレジスタンス運動をしたのだ。

オットーが匿名で書いたカードは合計285枚。そしてその内の18枚はゲシュタポの懸命なる捜査にも関わらず見つからなかった。カードを読んで共感してもらおうと思っていたオットーながら、18枚以外は全て警察に届けられたわけだ。

ラスト、全てを読んだゲエッシャリヒ警部は窓からカードを道路にまき自殺する。あの行為はゲシュタポに対する抵抗以外の何ものでもない。


エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン、そしてダニエル・ブリュールと皆素晴らしい。ブレンダン・グリーソンは寡黙な男が似合うし、コメディが似合うエマ・トンプソンも一人息子を亡くした母アンナを好演している。苦悩するダニエル・ブリュールもナイスだし、絶対的権力でエッシャリヒ警部を攻め立てるプラル大佐を演じるミカエル・パーシュブラントの気迫の演技がコワいほど。


ヴァンサン・ペレーズの初めての監督作品「天使の肌」は当時横浜で開催されていたフランス映画祭2003で鑑賞した。彼は映画祭の団長で運良くお目にかかることもできた。あれから14年経過!月日の経つのは実に早いものだ。映画はモルガーヌ・モレと今は亡きギヨーム・ドパルデューがカップルを演じる感動的な恋物語だったと記憶する。

ヴァンサン・ペレーズはかつてフランス製作の大作やコメディに多く出演してきた人気俳優。硬派な作品の監督としても素晴らしく才能豊かな人である。


新宿武蔵野館にて



[PR]
by margot2005 | 2017-07-11 19:23 | UK | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://margot2005.exblog.jp/tb/237156603
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 「甘き人生」 「ありがとう、トニ・エルドマン」 >>