2017年 06月 25日
「ザ・ダンサー」
「La danseuse」…aka「The Dancer」2016 フランス/ベルギー/チェコ
19世紀末のフランス。パリが繁栄した華やかなベル・エポック(良き時代)を舞台に、“モダン・ダンスの祖”と呼ばれ一世を風靡した伝説的ダンサー、ロイ・フラーの実話を元にしたヒューマン・ドラマ。
マリー・ルイーズ・フラー/ロイ・フラーに「博士と私の危険な関係/2012」「嫉妬/2012」のソコ。
ルイ・ドルセー伯爵に「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「サンローラン/2014」「たかが世界の終わり/2016」のギャスパー・ウリエル。
ガブリエルに「海の上のピアニスト/1999」「ラルゴ・ウィンチ/2008」のメラニー・ティエリー。
イサドラ・ダンカンにリリー=ローズ・デップ。
フォリー・ベルジェールの支配人に「プチ・ニコラ/2009」「ハートブレイカー/2010」「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」「エール!/2014」「神様メール/2015」のフランソワ・ダミアン。
オペラ座の支配人に「あの夏の子供たち/2009」「めぐりあう日/2015」「フランコフォニア ルーヴルの記憶/2015」のルイ=ド・ドゥ・ランクザン
監督、脚本はステファニー・ディ・ジュースト。
フランス人の父とアメリカ人の母の間に生まれたマリー・ルイーズは、愛する父が亡くなり母の住むニューヨークの修道院に身を寄せる。そして女優志望の彼女は舞台デビューするがほんの端役だった。そんな折、幕間に披露したマリー・ルイーズの独創的なダンスが拍手喝采を浴びる。その中には彼女のダンスに魅せられ拍手を贈るルイ・ドルセー伯爵がいた。
ルイ・ドルセー伯爵はアメリカ人の富豪女性と結婚したフランス人貴族。マリー・ルイーズはルイ・ドルセー伯爵の支援を得てフランスに渡り、パリのミュージック・ホール、フォリー・ベルジェールの門をたたく。支配人は今まで見たこともないダンスに興味を持たなかったが、ダンサーたちの世話をするガブリエルはマリー・ルイーズの才能を認めフォローすることを決意する。やがてロイ・フラーと名のる様になったマリー・ルイーズのダンスは観客を虜にするのだった。そしてとうとうオペラ座の支配人がやって来て出演が決まる。
ロイ・フラーと同じくアメリカ人のイサドラ・ダンカンはモダン・ダンサーとしてとても有名。彼女も又“モダン・ダンスの祖”と呼ばれている。ドラマには共演者として選ばれた若くて美しいダンサー、イサドラ・ダンカンに嫉妬するロイ・フラーのエピソードも織り込まれている。
ヒロインを演じるソコは独特の魅力を放つフランス人の女優でシンガーソング・ライターでもある。上に書いた2本の映画はどちらもwowowで見たが、男子のようにも見える風貌ながらとてもエロティックな雰囲気を醸し出す希有な女優。本作ではダンスパフォーマンスのシーンを熱演している。
そしてイサドラ・ダンカンを演じるリリー=ローズ・デップがとても蟲惑的で美しい。ヴァネッサ&ジョニーの良い所取りしたリリーがマジでチャーミング。
ギャスパー・ウリエルにはデカダンスな世界が似合う。
シネスイッチ銀座にて