2017年 06月 03日
「マフィアは夏にしか殺らない」
「La mafia uccide solo d'estate」…aka 「The Mafia Only Kills in Summer」2013 イタリア
監督、出演(アルトゥーロ)にピエルフランチェスコ・ディリベルト/Pif。
フローラに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「バッグにはクリプトナイト/2011」 のクリスティーナ・カポトンディ。
子供時代のアルトゥーロにアレックス・ビスコンティ。
子供時代のフローラにジネヴラ・アントーニ。
新聞記者フランチェスコに「輝ける青春/2003」のクラウディオ・ジョエー。
イタリア映画祭2009で観た「運命に逆らったシチリアの少女/2008」はパレルモ舞台のシリアスなマフィアものだったが、こちらはコメディ。
「イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-/20008」の主人公ジュリオ·アンドレオッティがアルトゥーロの憧れの人というのも笑える。
“恋をしたらマフィアに殺される…”なんて信じていたアルトゥーロが同級生フローラに一目惚れする。アンドレオッティの言葉に感化され“恋心を伝えるのは墓地で…”と決めていたアルトゥーロはそれが叶う。しかしフローラは銀行家の父親と共にマフィアの手が届かないスイスに引っ越すことになる。時がたち青年となったアルトゥーロはスイスからパレルモに戻りキリスト教民主党の代議士リーマの秘書となったフローラと再会する。やがて彼女の推薦で代議士の広報担当記者の職を得るが、リーマに対する見解の相違でフローラに見限られる。そして1992年。アルトゥーロは反マフィアの治安判事ファルコーネとボルセッリーノが暗殺され、判事の死を嘆く市民たちのデモの中にフローラを見つける。とうとう結婚した二人に息子が生まれ、アルトゥーロは息子を伴いマフィアの凶弾に倒れた記念碑を訪ねる。
パレルモ出身のPifの初監督作品。ドラマは1969年に生まれ、多感な少年時代を送った後フローラと結婚し、息子の父親となったアルトゥーロの人生を描いている。
マフィアにまつわる史実は実写が使われていて興味深い。日本人にとっては馴染みが薄いマフィアの世界だが、アルトゥーロのフローラ一筋のラヴストーリーを絡めながら、それもコメディとして描かれているので、かなり面白かった。
ポスターは憧れのアンドレオッティに扮したアルトゥーロが学校で仮装大賞をゲットした際の姿。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて上映中(イタリア映画祭2014で鑑賞済)