2017年 03月 04日
「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」
「Demolition」2015 USA
デイヴィスは妻ジュリアの父親が経営する金融会社のエリート社員。いつものように妻の運転する車で会社に向かう折、突然の自動車事故で自分は無事ながらジュリアが亡くなってしまう。やがて葬儀が執り行われるが涙がでない。妻が亡くなったというのに悲しくないのか?と自問するデイヴィス。彼はジュリアと出会いあっという間に結婚したことを思い出し、彼女を本当に愛していたのかどうか疑問を抱く…
デイヴィスに「プルーフ・オブ・マイ・ライフ/2005」「ゾディアック/2006」「マイ・ブラザー/2009」「複製された男/2013」 「ナイトクローラー/2014」のジェイク・ギレンホール。
カレンに「ヤング・アダルト・ニューヨーク/2014」「追憶の森/2015」のナオミ・ワッツ。
フィルに「8月の家族たち/2013」のクリス・クーパー。
クリスにジュダ・ルイス。
ジュリアにヘザー・リンド。
監督、製作は「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「カフェ・ド・フロール/2011」「ダラス・バイヤーズ・クラブ/2013」「わたしに会うまでの1600キロ/2014」のジャン=マルク・ヴァレ。
ジュリアが亡くなる前、冷蔵庫の調子が悪いと言っていたこと思い出したデイヴィスは修理を試みる。しかし修理するはずが壊してしまっていた。それは義父に“心の修理も車の修理も同じだ、まず分解して隅々まで点検し、再び組み立て直せ”と言われたことが頭にあったから…。モノを破壊するってちょっと快感だが、デイヴィスはかなり異常。
一方で自動販売機から商品が出てこなかったため苦情の手紙を会社に送るデイヴィス。手紙を読んだ苦情処理係のシングルマザー、カレンは彼に興味を持つ。それには病院で亡くなった妻のことも記されていた。ひょんなことから出会ったデイヴィスとカレンは親交を深めて行く。
原タイトルは“破壊”なのに邦題はとてもロマンティック。しかしジェイクの映画だからロマンティックなわけがない、と思っていたら案の定だった。
邦題の意味は映画のラスト近くで主人公が語ってくれる。
デイヴィスは妻と暮らした家を壊しに壊しブルトーザーまで出動させる。でもブルトーザーには唖然!気持ちは良くわかるけどあの行動にはあきれ返る。周りは住宅地なのに全く配慮などしていないのだから…。
ジェイク・ギレンホールは「ナイトクローラー」のルイスと似たような表情を見せて不気味。元々この俳優は苦手なので余計にそう感じるのかも知れない。
人生再生ドラマの本作はエンディングに少々救われる。
娘婿を見捨てない義父フィルの存在が映画を最後迄見る気にさせてくれた。演じるクリス・クーパーがgood。
カレンの息子クリスが小生意気で可愛い。