2017年 02月 16日
「パリ、恋人たちの影」
「L'ombre des femmes」2015 フランス/スイス
マノンに「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」のクロチルド・クロ。
ピエールに「イザベル・アジャーニの惑い(アドルフ)/2002」「恋は足手まとい/2005」のスタニスラス・メラール。
エリザベットに レナ・ポーガム。
友人リサにヴィマーラ・ポンス。
マノンの母にアントワネット・モヤ。
マノンの恋人にムニール・マルグム。
監督、脚本は「愛の残像/2008」「灼熱の肌/2011」「ジェラシー/2013」のフィリップ・ガレル。
ナレーションは「ジェラシー/2013」「サンローラン/2014」のルイ・ガレル。
ピエールはドキュメンタリー映画を製作している。彼の作品を世間に認めさせたい一心で、自らの夢も捨てパートタイムで働きながら献身的に尽くす妻マノン。しかし映画製作は中々軌道に乗らず二人の気持ちは徐々にすれ違って行く。ある日、ピエールはフィルムを保存する倉庫でバイトをする研修生エリザベットと出会う。やがてピエールは若いエリザベットとの情事に溺れて行く…
“僕には妻がいる”と告白してエリザベットとの情事にのめり込むピエール。ピエールの妻が気になるエリザベットは彼らのアパルトマンを密かに偵察。そして美しいピエールの妻に嫉妬を覚えるエリザベット。そんな折、モンマルトルのカフェでピエールの妻が男と密会している現場を目撃する。
さあどうしよう?ピエールに伝えるべきか、やめるべきか?とエリザベットは悩み始める。結局エリザベットはピエールに真実を打ち明ける。この辺りから少々ドロドロしてくる。
しかしフィリップ・ガレルはそれをさらっと描いている。おなじみのモノクロで...。
夫は浮気をしてもよいが妻はだめ!なんて…ピエールは何と自分本意の男なのだろうと呆れる。浮気をした妻を家から追い出したにも関わらず、ラストでは“どうして出て行った?””君なしではだめなんだ!”なんて言う始末。ホント男って身勝手で浅はかな生き物だ。
ピエールはマノンを夫婦のベッドに誘い“こんな風にその男と愛し合ったのか?”と聞いている。ピエールに夢中のエリザベットに対してもあまりにも素っ気ない。ともかくピエールは自分勝手でイヤミな男なのだけど、スタニスラス・メラールが演じるとなぜか憎めなくて…。
上映館のシアター・イメージフォーラムはスーパー級のミニシアターで、観客が3.4人なんて時もあるが、本作上映時は10人以上の人がいて、フィリップ・ガレル、ファンが集まったのかな?なんて思ったりした。私的にはスタニスラス・メラールが懐かしくて見たかった一作。
フランス映画祭2006で来日した際にお目にかかった彼も40代に突入しおじさん化している。
シアター・イメージフォーラムにて(2/17迄)