2017年 01月 15日
「皆さま、ごきげんよう」
「Chant d'hiver」…aka「Winter Song」2015 フランス
管理人に「アメリ/2001」「ロング・エンゲージメント/2004」のリュファス。
人類学者にアミラン・アミラナシヴィリ。
家を建てる男に「あの頃エッフェル塔の下で/2015」「ダゲレオタイプの女/2016」のマチュー・アマルリック。
知事にマチアス・ユング。
やくざに「愛より強い旅/2004」のトニー・ガトリフ。
ヴァイオリニスト(知事の娘)にフィオナ・モンベ。
監督、脚本、編集、出演(アンクレジット)は「汽車はふたたび故郷へ/2010」のオタール・イオセリアーニ。
現代のパリを舞台に描かれる群像ドラマ。アパートの管理人と骸骨収集が趣味の人類学者を軸にドラマは展開される。アパートの住人は他にローラースケートで万引きを繰り返す姉妹や恐妻家の金管楽器職人。そしてヴァイオリニストにホームレスや警官、ヤクザや貴婦人などなどユニークでヴァラエティに飛んだ人物が取りとめなく登場してくる。
現代のパリが描かれる前にフランス革命の時代と、どこかの戦場での出来事が短く描かれる。
オープニングはフランス革命時代ギロチンにかけられる貴族の様子。当時ギロチン処刑は見せ物で、処刑される貴族が現れるのを今か今かと待ちわびる市民たち。女性陣は一番前に陣取って編み物をしている。
次にどこかの戦場が登場し、住民を銃で撃ち、略奪を繰り返して女を犯す兵士たち。そして神に祈る聖職者。
現代のパリに住む管理人役のリュファスがフランス革命の貴族と戦場の聖職者を演じているのがわかる。
オタール・イオセリアーニは有名な俳優を起用しないことで知られるらしいが、今回はフランスの名優マチュー・アマルリックが出演。ひらすら家を建てることに集中する飄々とした男が可笑しい。
ほのぼのとしたと言うのかなんとも形容しがたい奇妙な映画。
「汽車はふたたび故郷へ」もファンタジーのような要素も取入れた一風変わった映画だった。やはり本作もオタール・イオセリアーニの世界炸裂!他愛もなく、無目的で良くわからない変な?映画だった。