「ヒトラーの忘れもの」

Under sandet…akaLand of Mine2015 デンマーク/ドイツ

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19455月、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマークの美しい浜辺。ある日、ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、ドイツ兵捕虜の11名が集められる。そして彼らには地雷を扱った経験がほとんどなかった。作業を監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹は集められたのがあどけない少年であることに驚くが、ナチス・ドイツへの憎悪をむき出しに暴言と暴力を繰り返すのだった...


ラスムスン軍曹に「真夜中のゆりかご/2014」ローランド・ムーラー。

エベ大尉に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」ミケル・ボー・フォルスゴー。

セバスチャン・シューマンにルイス・ホフマン。

ヘルムート・モアバッハにジョエル・バズマン。

ヴィルヘルム・ハーンにレオン・サイデル。

エルンスト・レスナーにエミール・ベルトン。

ヴェルナー・レスナーにオスカー・ベルトン。

監督、脚本はマーチン・サントフリート。


オープニング以降、地雷の除去作業だけが延々と続きスクリーンからも緊張感が漂う。少年たちは食事も与えられず日々作業を続けている。ある日、一人の少年が地雷の爆発で両手をもぎ取られキャンプの病院へ運ばれる。後日キャンプへ行ったラスムスンは彼が死んだ事実を知らされるが、残された少年たちが動揺しないよう、傷が癒えたので国へ帰したと伝える。そんな折、空腹に耐えられず農家から盗んできた食べ物にあたり腹を壊してしまう少年たち。見るに見かねたラスムスンはキャンプから自分の食べ物と一緒に少年たちに与える野菜やパンを調達してくる。それを知ったエベ大尉は“ドイツ兵は餓死してもかまわない!”と宣いラスムスンを攻め立てる。あまりにも残酷な答えに呆然となるラスムスン。


仲間たちが一人、また一人と命を落として行く様はとてもリアルで見ていてぞっとする。”作業が終われば国に帰れる。”というラスムスンの言葉にすがりつくかのように耐える少年たち。そして日々彼らの姿を目の当たりにするラスムスンに次第に情が芽生え始める。


デンマーク軍のエベ大尉が強烈に無情。慈悲も何も持ち合わせていない。ナチス、ドイツに怒るのは良くわかるが、少年たちに責任はないのだ。

邦題の「ヒトラーの忘れもの」はちょっと低俗過ぎてドラマに不適当かと思った。

ドイツとデンマークは国が隣り合っている。ラスト、ここから500メートルのところに国境があると説明したラスムスン軍曹は少年たちを解放する。あのシーンには救われたが、史実では多くのドイツ兵が亡くなったと記され胸を打たれる。


シネスイッチ銀座にて


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by margot2005 | 2016-12-26 00:04 | ヨーロッパ | Trackback(10) | Comments(4)
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Tracked from 象のロケット at 2017-01-02 22:55
タイトル : ヒトラーの忘れもの
1945年、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマーク。 ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、捕虜となったドイツ兵が駆り出された。 彼らの監督をすることになったデンマーク軍の軍曹カール・ラスムスンは、全員があどけない少年ばかりであることに驚く。 危険な作業に従事するドイツ兵たちは、空腹と体調不良に苦しみながらも、祖国へ帰る日を夢見ていた…。 戦争ヒューマンドラマ。... more
Tracked from Nice One!! .. at 2017-01-05 13:41
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原題: Land of Mine [ Under Sandet ] 監督/脚本: マーチン・ピータ・サンフリト 出演: ローラン・モラー 、ミケル・ボー・フォロスゴー 、ルイス・ホフマン 第28回東京国際映画祭『地雷と少年兵』ページはこちら。 『ヒトラーの忘れもの』公式サイトはこちら(2017年12月17日公開) 日本公開になったんですね~。よかったです。 終戦直後、デンマークの海岸沿いに埋められた無数の地雷の撤去作業に、敗残ドイツ軍の少年兵が動員される。憎きナチ兵ではあるが、戦闘を知ら...... more
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タイトル : 「地雷と少年兵」第28回東京国際映画祭 (日本公開タイト..
コンペティション作品。軍曹役のローラン・モラーと少年兵役ルイス・ホフマンとが最優秀主演男優賞を受賞。最優秀主演男優賞…。そうきたか!という感じだ。私はこの作品はグランプリでいいと思っている。と、なんか急に偉そうだけれど、偉そうな意図は全くなくて…何故この作品がグランプリに相応しいと思ったかというと、内容の衝撃度や展開のドラマ性ももちろんなのだが、マーチン・ピータ・サンフリト監督自らがQ&Aで語っていた、「デンマークにも暗黒の部分がある。それを描きたかった。」という気持ちに大変感銘を受けたからだ。19...... more
Tracked from 勝手に映画評 at 2017-01-06 22:12
タイトル : ヒトラーの忘れもの / Under sandet
史実に基づく作品。 第2次世界大戦終戦直後のデンマークで、地雷除去に従事させられた敗残ドイツ軍の少年兵たちを描いた作品。実際には2000人ほどのドイツ兵により150万もの地雷が処理されたそうですが、地雷処理にあたったドイツ兵の多くは少年兵で、その半数が死ぬか...... more
Tracked from セレンディピティ ダイアリー at 2017-01-27 16:54
タイトル : ヒトラーの忘れもの
終戦直後のデンマークを舞台に、地雷撤去に駆り出されたドイツ軍少年兵たちの苦難を描いた史実に基づくドラマ、「ヒトラーの忘れもの」(Under Sandet / Land of Mine)を見ました。 第2次世界大戦中、デンマーク西海岸につらなる美しい砂浜に、米英軍からの侵攻に備...... more
Tracked from まてぃの徒然映画+雑記 at 2017-01-30 22:50
タイトル : ヒトラーの忘れもの UNDER SANDET
1945年、ナチスドイツが降伏した後のデンマーク。デンマークを占領していたナチスドイツは連合国軍の上陸を阻止するため海岸に無数の地雷を敷設していた。その地雷の除去に駆り出されたのが、降伏したナチスドイツの兵士たち。デンマーク軍の軍曹の元に送り込まれたのは...... more
Tracked from 映画好きパパの鑑賞日記 at 2017-03-06 07:00
タイトル : ヒトラーの忘れもの
 第二次大戦直後、デンマークに敷設された大量の地雷を除去させられたのはドイツ軍の捕虜でその多くが少年兵で多くが犠牲になったという歴史の秘話を映画化。地雷解除の息詰まるような緊張感はホラー映画よりも怖かったです。  作品情報 2016年デンマーク、ドイツ映画…... more
Tracked from にきログ at 2017-03-26 21:25
タイトル : ヒトラーの忘れもの
映画感想です 今回はわりと重めなミニシアター系列ですね ちなみに今回も映画の前知識はほぼゼロで見ました タイトルがヒトラーの忘れものだったのでまさか隠し子!?コメディ系?となんとなく思っていたんですが全然違いましたね 見ていてかなり重いお話でした あらすじ ナチスドイツが降伏した後の1945年5月、デンマークの海岸にドイツ軍が埋めた地雷を撤去するため、ドイツ兵の捕虜が投入され...... more
Tracked from みはいる・BのB at 2017-06-02 12:31
タイトル : 『ヒトラーの忘れもの』('17初鑑賞56・劇場)
☆☆☆☆- (10段階評価で 8) 5月31日(水) パルシネマしんこうえん(名画座)にて鑑賞。... more
Commented by ituka at 2017-01-02 09:42 x
少年兵をこき使うデンマーク軍でしたが
戦争によりすべての人間が狂気と化して行ったんでしょうね。
軍曹も序盤は怒りをすべて少年兵に向けるしかなく非情でしたが
終盤、エベ大尉に執拗に食い下がる姿は少年兵の保護者のようでいい奴でしたね。
映像はとてもリアルで地雷が爆発するたびに、隣のご婦人方がビックリしてました(笑)
Commented by margot2005 at 2017-01-04 17:01
> itukaさん
少年兵をこき使うデンマーク軍は強烈でしたね。
見ていて少年たちが可哀想で泣きたくなりました。
非情なるエベ大尉を出し抜くラスムスンのラストはとても良かったです。
映像リアルでしたね。私も時々飛び上がっていたかも知れません。
Commented by セレンディピティ at 2017-01-27 17:06 x
こんにちは。
強烈な作品でした。
前日まで憎むべき相手だったとはいえ
軍曹が少年兵相手にどうしてあそこまで非情で残酷になれるのか
人間性を破壊する戦争の恐ろしさを見ました。
でも後半は徐々に人間らしさを回復してきてほっとしました。
地雷原の場面はものすごい緊張感でしたね。
Commented by margot2005 at 2017-01-28 23:10
> セレンディピティさん
こんばんは。
最初の軍曹の少年たちに対する仕打ちはマジで強烈でした。
ほんとあそこまでするか!なんて何度も思いましたが、
後に少年たちに心を開いて行く姿を見てホット一安心でしたね。
地雷のシーンはとても迫力があって手に汗握るドキドキ感でした。
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