2016年 12月 09日
「五日物語 3つの王国と3人の女」
「Il racconto dei racconti - Tale of Tales」2015 イタリア/フランス/UK
17世紀にナポリ王国で生まれた民話集「ペンタメローネ(五日物語)」の中から「女の性」をテーマに3話を選んで映画化したダークな大人のファンタジー・ドラマ。
ロングトレリス国の女王に「フリーダ/2002」「アクロス・ザ・ユニバース/2007」「野蛮なやつら/SAVAGES/2012」「おとなのワケあり恋愛講座/2014」のサルマ・ハエック。
ストロングクリフ国の王に「チャイルド44 森に消えた子供たち/2014」「ジェイソン・ボーン/2016」のヴァンサン・カッセル。
ハイヒルズ国の王に「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「フロスト×ニクソン/2008」「ブッシュ/2008」「裏切りのサーカス/2011」「奇蹟がくれた数式/2015」のトビー・ジョーンズ。
インマに「ダブリン上等!/2003」「マリー・アントワネット/2006」「いとしきエブリデイ/2012」「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期/2016」のシャーリー・ヘンダーソン。
ドーラにヘイレー・カーマイケル。
ヴァイオレットにビビー・ケイヴ。
若きドーラに「ハイ・ライズ/2015」「シークレット・オブ・モンスター/2015」のステイシー・マーティン。
エリアスにクリスチャン・リース。
ジョナにジョナ・リース。
ジョナの母親にローラ・ピッツィラーニ。
ロングトレリス国の王に「おとなのけんか/2011」「少年は残酷な弓を射る/2011」「ロブスター/2015」のジョン・C・ライリー。
サーカス団の母親に「ハングリー・ハーツ/2014」のアルバ・ロルヴァケル。
監督、脚本、製作は「ゴモラ/2008」のマッテオ・ガローネ。
第1話:ロングトレリス国の女王は不妊に悩まされている。女王が気がかりな王は、魔法使いの教えに従い自らの命と引き換えに怪物の心臓を手に入れる。それを食べた女王は妊娠し男の子を授かる。しかし年頃になった息子エリアスは母親から離れて行く。
第2話:ストロングクリフ国の国王は究極の女好き。ある日、美しい歌声に魅せられ心奪われるが、歌っていたのは老姉妹の姉インマだった。若さと美しさを求めてやまない老姉妹。姉のインマは好色な王を首尾よく騙し、不思議な力によって若さを取り戻して王妃の座につくが、妹ドーラの嫉妬に悩まされる。
第3話:ハイヒルズ国の王はペットに夢中。プリンセスのヴァイオレットは結婚して城の外に出たいと願っている。娘の気持ちを知った王は城に男を集め、自分の出したクイズに正解すれば娘との結婚を許すと宣言する。やがて醜い巨漢の男が正解を出し、娘は男と結婚することになる。
夫の命と引き換えに怪物の心臓を食べ美しい男の子の母親になった女王。しかし成長した息子エリアスは、自分と同じ怪物の心臓から生まれた召使い女の息子ジョナと兄弟の様に深い友情で結ばれていた。王妃はそれが我慢ならないが、ある時二人が入れ替わった事実を知らない。
老姉妹の姉は魔法により若さを取り戻して王妃の身となるが、妹に嫉妬された上つきまとわれ困惑するばかり。
プリンセスは大人の世界に固執したためとんでもない結婚をさせられてしまう。
3人の女の願いは叶ったが全て上手く行くことはなかった。でも大ラス、一部の人がハッピー・エンディングで救われる。
ダークな大人のファンタジーはロケされたイタリアの景色が美しいのはもちろんのこと物語にも引き込まれた。
映像はまるで絵画のよう。赤、白、黒と明瞭な色彩の描写が多くてスクリーンに吸い込まれそうになる。真っ白なテーブルの上で黒服を着て赤い怪物の心臓を食べる王妃のシーンは圧巻。
ターセム・シンの世界遺産を舞台に繰り広げられる愛の冒険ファンタジー「落下の王国/2006」を思い起こした。本作同様景色も然ることながら色彩がとても美しかったから…。
インマを演じたシャーリー・ヘンダーソンは誰かに似ている、似ているとずっと思っていたら「ブリジット・ジョーンズ シリーズ」のブリジットの友人ジュードだった。かなりのおばあさん役で気の毒なほど。
ヴァンサン・カッセルは好色な男が実に似合う。
サルマ・ハエックには原色がマッチする。
TOHOシネマズ日本橋にて
俄然見る気になった作品でした。
同じく!『落下の王国』と同じくらい構図と原色が綺麗な映画でしたよね。
ワタシ的には3話中老姉妹のパートが最も好きかもしれない。
にしても、シャーリーの特殊メイクには同情モノですよね~(笑)
本作はシアターで予告編も見てないのですが
某新聞の記事が気になり見に行きました。
心臓かぶりつきのシーンは忘れられません。
そう老姉妹のパートは気の毒ながら一番面白かったです。
特殊メイクのシワってスゴいですね。ちょっとやり過ぎでしたが。
何はともあれ映像が美しくて引き込まれました。