2016年 11月 28日
「胸騒ぎのシチリア」
「A Bigger Splash」2015 イタリア/フランス
世界的なロックスター、マリアンヌは声帯の手術を受けた後、年下の恋人ポールを伴いシチリアのパンテッレリーア島へバカンスにやって来る。しかし穏やかな時間を楽しむ二人を訪ねて招かれざる客が突然現れる。マリアンヌの元カレで音楽プロデューサーのハリーが娘のペンと一緒に押し掛けて来たのだ。騒々しいハリーは静養中のマリアンヌのことなどお構いなしに勝手にバカンスを楽しんでいる。そうハリーはマリアンヌとの復縁を狙っていた。一方で娘のペンもポールに接近し始める…
マリアンヌに「ミラノ、 愛に生きる/2009」「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ/2013」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「ヘイル、シーザー/2016」のティルダ・スウィントン。
ポールに「フランス組曲/2014」「リリーのすべて/2015」のマティアス・スーナールツ。
ハリーに「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「007 スペクター/2015」のレイフ・ファインズ。
ペネロペ(ペン)に「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」「ブラック・スキャンダル/2015」のダコタ・ジョンソン。
警察署長にCorrado Guzzanti。
ハリーの友人ミレーユに「ボン・ヴォヤージュ/2003」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「マリー・アントワネット/2006」「彼は秘密の女ともだち/2014」のオーロール・クレマン。
監督、製作は「ミラノ、 愛に生きる/2009」のルカ・グァダニーノ。
「太陽が知っている/1969」のリメイクで出演者の名前は同じながらマリアンヌの恋人ポールを年下の男に変えている。「太陽が知っている」はアラン・ドロン演じるジャン・ポールが主人公だが、本作はティルダ・スウィントン演じるマリアンヌが主人公っぽい。
映画は「白い帽子の女/2015」と同じく、俳優と景色とヒロインのファッションはゴージャスだが中身のない駄作だった。元映画はロマンティックなサスペンスでとても見応えがあったのに…。
しかしながら今時ロマンティック・サスペンスなど受けないのでこういった過激な描き方にしたに違いない。マリアンヌもロック・シンガーのキャラクターだし。喉を痛め静養中の身ゆえ残念ながら歌うシーンはなし。ただし過去シーンのスタ録で少しだけ歌っている。
マリアンヌに深い愛を捧げるポール。演じるマティアスはゴージャス。
元映画も本作もポールは逮捕されない。元映画のラストは忘れてしまったけど、本作のラストは不法移民のせいにしたりして今風の展開になっている。
ともかく出演者がヌードになり過ぎ!「グランド・ブタペスト・ホテル」や「ヘイル、シーザー」でかつてのイメージを覆したレイフがフルヌードで大いにはしゃいでいて可笑しいやら呆れるやらで感心した。
警察署長が犯人を不法移民のせいにしてマリアンヌを安心させ、サインをねだるラストはイタリア人の感覚?
シネスイッチ銀座にて