2016年 10月 28日
「ハングリー・ハーツ」
「Hungry Hearts」2014 イタリア
エンジニアのアダムと大使館勤務のイタリア人のミナはニューヨークに暮らしている。ある日、二人はドアの故障で中華料理店のトイレに閉じ込められる。運命的に出会った二人は同居を始めミナが妊娠し二人は結婚する…
ジュードに「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」「ヤング・アダルト・ニューヨーク/2014」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒/2015」のアダム・ドライヴァー。
ミナに「ボローニャの夕暮れ(ジョヴァンナのパパ)/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」「夏をゆく人々/2014」のアルバ・ロルヴァケル。
ジュードの母親アンに「ポストマン/1997」のロバータ・マクスウェル。
監督、脚本はサヴェリオ・コスタンツォ。
ミナは妊娠中からなぜか食事を取ることを拒否し生まれた男の子は未熟児だった。
アパートの屋上で家庭菜園をするミナは完璧なるベジタリアン。口に入れるのは自然食品と水だけで、ゼロ歳児の息子も同様。体重が増えないことを心配したジュードは医者に相談に行く。案の定“もっと肉を食べさせなさい。”と言われ、肉系のベビーフードを与え始める。しかしそれを知ったミナはジュードを攻め立てるのだった。
困った夫はなんとかしようと躍起になるが、自分一人ではなんともできず、息子を母親アンに預けるしか方法がなかった。
女性が子供を産んだ後、鬱になることは良くあるらしい。しかしながらこの女性は子育てに異常に神経質になり鬱なんてものではない。何かに取り憑かれて精神がおかしくなったに違いない。
友人との接触を拒み、孤立無縁で子育てする夫婦の姿が異常で不気味。"愛かそれとも狂気か?”と思わせる展開にぞっとする。
ヒューマンドラマなのだけど、なぜかオカルトホラーの雰囲気が漂う。「ローズマリーの赤ちゃん/1968」の世界になって行くのか?なんてことも脳裏をかすめた。
とても個性的なキャラであるアダム&アルバはナイス・キャスティング。二人が第71回ベネチア国際映画祭主演男優賞&主演女優賞を受賞したのも納得だ。
ラストはかなり衝撃的だが、私がアンの立場だったら、孫を守るために同じことをするかも知れない。
ヒューマントラストシネマ渋谷にて(期間、時間限定公開/10/28迄)