2016年 09月 21日
「セルフレス/覚醒した記憶」
科学者のオルブライトは、ガンで余命半年と宣告された大富豪ダミアンに、最先端クローン技術で作った肉体に頭脳を転送することができると持ちかける。やがて68歳の余命いくばくもないダミアンが30代の若い男の肉体を手に入れるが、新たなそれはクローンではなく前の持ち主の記憶が残っており、その持ち主はマークという特殊部隊の兵士で、彼には妻子がいた...
マークに「あなたは私の婿になる/2009」「ハッピー・ボイス・キラー/2014」「白い沈黙/2014」「黄金のアデーレ 名画の帰還/2015」のライアン・レイノルズ。
オルブライトに「マッチポイント/2005」「敬愛なるベートーヴェン/2006」「ウォッチメン/2009」「シングルマン/2009」「イノセント・ガーデン/2013」「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」のマシュー・グード。
マデリーンに「ブロークンシティ/2012」のナタリー・マルティネス。
ダミアンの友人マーティンに「アルゴ/2012」「ボーダーライン/2015」のヴィクター・ガーバー。
アントンに「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー/2002」「大いなる陰謀/2007」「セントアンナの奇跡/2008」のデレク・ルーク。
ダミアンの娘クレアに「ダウントン・アビー シリーズ/2010~2015」「フライト・ゲーム/2014」のミシェル・ドッカリー。
監督は「ザ・セル/2000」「落下の王国/2006」「インモータルズ -神々の戦い-/2011」「白雪姫と鏡の女王/2012」のターセム・シン。
新しい肉体を得たダミアンは新しい人生を歩み始める。オルブライトが用意した家に移り住み、近隣に暮らすアントンと仲良くなる。数十年ぶりで若者の遊びに興じるダミアンは幸せを謳歌していた。しかしそんなある日、ダミアンはとてもリアルな夢を見る。夢にでてきた場所が脳裏を離れず、ネットで調べた末現地へ車を走らせる。
やがて自分が誰かと知ったダミアンは、本当の自分であるマイクの妻マデリーンと幼い一人娘を守るため闘い始める。秘密組織相手にたった一人で…。
強くて愛情深いマークを演じるライアン・レイノルズと、繊細で怪しげな科学者オルブライトを演じるマシュー・グードの二人…彼らは全く個性が違う俳優でそれぞれの役柄がぴったりのナイス・キャスティング。
マシューはもちろんライアンもお気に入り俳優なので二人の共演が楽しみだった一作。ターセム・シンの世界は映像が美しい。本作は映像美を見せる映画ではないがちょっと驚くテーマのSFアクションは中々興味深かった。
“不老不死”をテーマにした映画ではメリル・ストリープ&ゴールディ・ホーンの「永遠に美しく/1992」というのがある。秘薬を飲めば永遠に美しく生きられるが、どんなに身体が傷ついても決して死ねないという代償があり、結末は肉体がバラバラに壊れてもまだ生き続けるという悲惨なもの。その映画は当然ブラック・コメディだった。
ライアン・レイノルズの妻ブレイク・ライブリー主演の「アデライン、100年目の恋/2015」は“不老不死”のためにヒロインが身を隠し、偽って生きなければならない試練があり、老いの印を見つけた時彼女は喜びに浸っていたのを思い出す。
とにかく人間いつまでも若くはいられないし、その時がくれば人生にさよならしなくてはならないのが現実。その現実に逆らいたい人っているのだろうか?なんてふと考えた。
TOHOシネマズ・シャンテにて