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「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」

「Les héritiers」…aka「Once in a Lifetime」2014 フランス
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公立高校レオン・ブルムは貧民層が暮すパリ郊外にある。新学期が始まり20年の教師歴を持つアンヌ・ゲゲンが赴任して来る。歴史教師である彼女は様々な人種が集められた落ちこぼれクラスを担当することになる。初日、生徒たちに“退屈な授業はしない”と宣言し、自信を見せるが生徒たちは無気力で問題ばかり起こしている。そんなある時、彼らに全国歴史コンクールへの参加を提案する...

アンヌ・ゲゲンに「クレールの刺繍/2003」「キリマンジャロの雪/2011」のアリアンヌ・アスカリッド。
共同脚本、出演(マリック)にアハメッド・ドゥラメ。
イヴェットにジュヌヴィエーヴ・ムニッフ。
マックスにステファヌ・バク。
メラニーにノエミー・メルラン。
監督、共同脚本、製作はマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール。

全国歴史コンクールのテーマは“ナチス/アウシュヴィッツ”というとても重いもの。生徒たちは自分たちとは縁のない昔の出来事と決めつけ、全くやる気を見せない。おまけに校長からも“彼らには重荷なのではないか?”と首を傾げられるが、ゲゲンは決して諦めず同僚の教師イヴェットの協力を得て準備を進めて行く。ある日、ゲゲンはアウシュヴィッツ強制収容所からの生存者を授業に招く。悲惨な過去を語る生き証人の言葉に熱心に耳を傾ける生徒たち。やがて悲惨な史実を知った彼らに心境の変化が起こり始める。
最初は全く無関心ながら“ナチス/アウシュヴィッツ”について熱心に調査し始めるにしたがって俄然やる気を起こし、彼らのやる気は次第に普段の授業にもつながリ始める。
落ちこぼれ生徒をここまでやる気にさせるアンヌ・ゲゲンに拍手喝采を贈りたい。

様々な人種が集まる中での歴史の授業はとても困難。特に宗教について語るのは大変なことだと思った。
ドラマのオープニング、ヒジャブを身につけた母親と娘が学校に現れる。学校ではヒジャブを禁止しているため、校舎の中には入れないと説明するが、母親も娘もがんとして譲らない。教師と一悶着の後母親と娘は悪態をつきながら学校から去って行く。あのオープニングはかなりインパクトがあった。
エンディングは歴史教師ゲゲンが新学期を迎えるシーン。それはとても爽やかで素敵な結末だった。何はともあれゲゲン役のアリアンヌ・アスカリッドが素晴らしい。
実話を元にしたドラマで、27人の生徒のうち20人が優秀な成績で卒業し、教師のアンヌ・ゲゲンは今でも現役。そしてマリックを演じたアハメッド・ドゥラメは望みが叶い俳優となった。

角川シネマ新宿にて
Commented by セレンディピティ at 2016-09-24 16:31 x
こんにちは。
オープニングはかなりアグレッシブで衝撃を受けましたが...
あれほどにバラバラで無気力、反抗的だった生徒たちが
目標に向かってひとつに団結していく姿に心を打たれました。
マダム・ゲゲンのようなすばらしい先生に出会えた彼らは幸せですね。
Commented by margot2005 at 2016-09-26 23:51
セレンディピティさん、こんばんは。

全くもってまとまりのないクラスにやる気のない生徒たち。
彼らに活を入れ導くマダム・ゲゲンの情熱に圧倒されました。
演じるアリアンヌ・アスカリッドが素晴らしかったですね。
by margot2005 | 2016-08-27 22:34 | Comments(2)