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「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」

「De Surprise」…aka「The Surprise」2015 オランダ/ベルギー/ドイツ/アイルランド
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ある日、大富豪ヤーコブの母親が亡くなる。彼は悲しみを覚えることもなく淡々と葬儀を執り行い身辺整理を始める。ヤーコブは過去のある出来事から感情をあらわにすることができなくなっていた...

ヤーコブに「LOFT -完全なる嘘(トリック)-/2010」のイェロン・ファン・コーニンスブルッヘ。
アンネに「人生はマラソンだ!/2012」のジョルジナ・フェルバーン。
ムラーに「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」のヤン・デクレール。
Mr. ジョーンズに「ノッティングヒルの恋人/1999」のヘンリー・グッドマン。
監督/脚本/製作/原案は「キャラクター/孤独な人の肖像/1996」のマイク・ファン・ディム。

天涯孤独となったヤーコブは。莫大な資産を寄付した上、広大なる土地に建つ豪邸も売りにだす手配をし、使用人たち全員に暇をだしてしまう。しかし長年仕えてきた執事のムラーはヤーコブが気がかりでならない。そんなムラーの心配もよそにヤーコブは自らの命をたつことしか頭にない。何度か自殺を図るがなぜか成功しない。そんなある時、海岸で妙な場面に出くわした後“エリュシオン”と書かれたマッチを見つける。興味を持ったヤーコブは早速ブリュッセルにある“エリュシオン”を訪ねるが、そこは“あの世への旅立ち”を請け負う奇妙な代理店だった。そして店のオーナーMr. ジョーンズに薦められた“サプライズ・コース”を契約する。
しかしヤーコブは契約後、代理店で運命的に出会ったアンネに惹かれ、望みのない人生がだんだんと明るくなって行くことに気づくのだった。

コメディなんだけどとてもダークな世界。ラストはどうなるのか?とハラハラしながら見ていたが、想像通りで一安心。
主人公ヤーコブを演じるイェロン・ファン・コーニンスブルッヘはマルチタレントでコメディアンでもあるそう。ちょっと太めで(映画のために増量)愛嬌のある彼の風貌が妙にドラマにマッチしている。

ヤーコブの城(豪邸ではモノ足りない)や、コレクションのクラシック・カーは目を見張るばかりのゴージャスさ。ビーチでのダンスも素敵だし、ブラック・コメディにロマンスがプラスされていて素敵な映画となっている。
ドラマの中ではドイツ語、英語、フランス語に加えヒンズー語の会話まで出てくる。で、字幕スーパーに釘付けだった。

尊厳死を描いた「君がくれたグッドライフ/2014」を引き合いに出してはマズいのだけど、本作の“あの世への旅立ち”を請け負うのもベルギー。ベルギーは進んだ考え方の国だと感心する。

ヒューマントラストシネマズ有楽町
by margot2005 | 2016-06-13 22:29 | ヨーロッパ | Comments(0)