「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」

「The Eichmann Show」2015 UK
a0051234_065364.jpg

“1961年にイスラエルで開かれた“アイヒマン裁判”を撮影し、世界にホロコーストの真実を伝えたテレビマンたちの実話を映画化したヒューマン・ドラマ。”

ミルトン・フルックマンに「恋愛上手になるために/2007」「こわれゆく世界の中で/2006」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁/2015」のマーティン・フリーマン。
レオ・フルヴィッツに「ギター弾きの恋/1999」「オータム・イン・ニューヨーク/2000」のアンソニー・ラパリア。
ミセス・ランドーにレベッカ・フロント。
エヴァ・フルックマンにゾーラ・ビショップ。
イスラエルの撮影スタッフDavid Landorに「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式/2007」のアンディ・ナイマン。
同じくYaakov Jonilowiczに「ハンナ・アーレント/2012」のニコラス・ウーデソン。
監督は「アンコール!!/2012」のポール・アンドリュー・ウィリアムズ。

1960年、ナチ親衛隊の将校アドルフ・アイヒマンが逃亡先のアルゼンチンのブエノスアイレスで、イスラエル諜報機関モサドにより身柄を拘束される。イスラエルへ移送されたアイヒマンはエルサレムの法廷で裁かれることになる。

1961年、米国人で革新派の敏腕TVプロデューサー、ミルトン・フルックマンは、アドルフ・アイヒマンの裁判を世界中にTV中継するという前代未聞の計画をたてTV放送権を獲得する。やがて赤狩りで職を失った米国人ドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツに白羽の矢を立て起用を決める。
始めは乗り気でなかったフルヴィッツだが、再起を狙いTVドキュメンタリー“アイヒマン・ショー”に賭けることを決意する。
家族と共にエルサレムに入ったフルックマンは、チームを編成し撮影の準備を進めて行く。しかしナチスシンパなどが嫌がらせの電話や、脅迫状で圧力をかけてくるのだった。

監督フルヴィッツは“アイヒマンをマスメディアが騒ぎ立てるような<モンスター>ではなく一人の人間としての彼の姿をカメラで暴きだしたい”と考えていた。
しかし“アイヒマンはわたしたちと同じ人間ではない…”と主張するイスラエル人スタッフたちから猛反撥が起こる。そして“アイヒマン・ショー”のTV撮影が始まり、直視できなくなったユダヤ人スタッフはブースから飛び出してしまう。

エルサレムのホテルの女主人ミセス・ランドーは最初フルヴィッツに好感を持っていなかった。しかし世界にホロコーストの真実を伝えるドキュメンタリー“アイヒマン・ショー”のTV中継を見て“あなたのおかげよ!”とフルヴィッツに告げるシーンはとても印象的。

ドイツ映画「ハンナ・アーレント/2012」でも描かれていた“アイヒマン・ショー”。合わせて見ると良いかも知れない。シアターにもそのDVDが置いてあった。

裁判の際、アイヒマンは“ユダヤ人大量殺害の執行はただ命令に従ったに過ぎない!”とコメントした。
裁判の後、“アイヒマンは怪物でも変質者でもなく陳腐な小役人。ごく普通に生きている凡庸な一般人によってユダヤ人虐殺は引き起こされた。”と評したハンナ・アーレントはもちろんユダヤ人。
そして“アイヒマン・ショー”の監督レオ・フルヴィッツもユダヤ人。
「ハンナ・アーレント」公開の際はとても話題なった。本作は少々二番煎じ気味で「ハンナ・アーレント」を見てなかったら、本作は見なかったかも知れない。

ヒューマントラストシネマズ有楽町にて
[PR]
by margot2005 | 2016-06-05 00:21 | UK | Trackback(4) | Comments(0)
トラックバックURL : http://margot2005.exblog.jp/tb/22875800
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from ここなつ映画レビュー at 2016-06-06 12:29
タイトル : 「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち 」
マスコミ魂を描いた秀作。たまたまであるが、「スポットライトー世紀のスクープー」を観た次の鑑賞作品がこちらであった。どちらも真実を暴くドキュメンタリーの制作過程を追ったものであり、その制作過程で発信者がどのように仕事を行い、苦悩するかの様が描かれている。「スポットライト〜」が新聞社のペンでの闘いであるならば、こちらは映像を通しての闘いである。だが、違いはその表現手法にあるだけではない。アイヒマンの裁判風景を中継で放映するチームの中に一人の演出家がおり、その彼が、単に実録として裁判を粛々と流すのではなく...... more
Tracked from ふじき78の死屍累々映画日記 at 2016-06-12 22:35
タイトル : 『アイヒマン・ショー』をHTC有楽町2で観て、アイヒマン..
▲きゃーアイヒマン様よおおおおおおおおおおぅ。 五つ星評価で【★★★★勝利のドラマのように見せかけて、実は敗北しているみたいな皮肉な映画が好き。そしてアイヒマンが出 ...... more
Tracked from 象のロケット at 2016-06-13 23:43
タイトル : アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち
1961年、かつてユダヤ人絶滅計画を指揮した元ナチス将校アドルフ・アイヒマンが、アルゼンチンで拘束されイスラエルへ移送された。 アメリカのテレビプロデューサー、ミルトン・フルックマンは、アイヒマンの裁判を世界中にテレビ中継する放映権を獲得する。 番組の監督を依頼されたのは、マッカーシズム(反共主義)によって仕事を干されていたレオ・フルヴィッツ。 ところがトラブル続出で撮影すら危ぶまれることに…。 ヒューマンドラマ。... more
Tracked from いやいやえん at 2017-01-07 08:36
タイトル : アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち
【概略】 敏腕TVプロデューサー、ミルトン・フルックマンは、ナチ親衛隊の将校、アドルフ・アイヒマンの裁判を世界中にTV中継するという計画を実現しようとしていた。 ドラマ アウシュヴィッツの真実を伝えるために。 ヒトラーの独裁政権下のナチスドイツによるホロコーストの指揮を任されていた男、アドルフ・アイヒマン。本作は彼の世紀の裁判を世界中に伝えたテレビマンの姿を実話をもとに描いた伝記ドラマ。 「モンスターなどいない。だが、人間は、自分が行った怪物的な行為に対して責任をとる必要があ...... more
<< 「君がくれたグッドライフ」 「緑はよみがえる」 >>