「緑はよみがえる」

「Torneranno i prati」…aka「Greenery Will Bloom Again」2014 イタリア
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1917年、冬。第一次世界大戦下のイタリア、アルプス、アジア—ゴ高原。イタリア軍とオーストリア軍は極寒の銀世界の中、塹壕を掘り互いに向かい合っている。戦いは膠着状態で若い兵士たちは厳しい寒さと飢えに疲労困憊する上、いつ落ちてくるかもわからない砲弾に怯えていた。そんな折、現状を全く理解していない少佐とまだ若い中尉がやって来る...

少佐に「最後のキス/2001」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「赤い肌の大地/2008」「ジョルダーニ家の人々/2010」「海と大陸/2011」のクラウディオ・サンタマリア。
若い中尉に「ヘヴン/2002」「ジョルダーニ家の人々」のアレッサンドロ・スペルドゥーティ。
大尉にフランチェスコ・フォルミケッティ。
ナポリ出身の兵士にアンドレア・ディ・マリア。
監督、脚本は「木靴の樹/1978」「明日へのチケット/2005」「ポー川のひかり/2006」「楽園からの旅人/2011」のエルマンノ・オルミ。

前線を任された大尉に届いた指令は“通信が敵に傍受されているため、新たな通信ケーブルを敷け!”というものだった。しかし危険が伴うその作業に猛反撥した大尉は軍位を返上してしまう。そして後を任されたのは戦争経験のない若い中尉だった。

劣悪な環境の塹壕で体力を消耗した兵士は疲れ果て、インフルエンザに冒された者までいる。戦おうとする意志と活力も尽き果て、ただ家に帰りたいと願うばかり。時折届く家族や恋人からの手紙が、唯一心のよりどころ。
若い中尉は想像とはかけ離れた戦争の醜さに直面し、なす術もなく、自分の無力さに打ちのめされる。
やがて彼は“愛する母さん、一番難しいのは、人を赦すことですが、人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか"と手紙を綴り始めるのだった。

短いドラマ(76分)から戦争の醜さが強烈に伝わってきて怖くなる。
巨匠と呼ばれる人の作った映画は基本的に暗いのかも知れない。本作が公開される前に、巨匠の「木靴の樹」の期間限定上映があった。それはDVDで見たが途中挫折していて最後まで見ていない。いつか再チャレンジしようと思う。一方でかなり宗教的な作品ながら「ポー川のひかり」は中々素敵な映画だったのを思い出す。
若い大尉役のアレッサンドロ・スペルドゥーティは「ジョルダーニ家の人々」でイケメン高校生ロレンツォを演じた俳優。本作では優しい顔つきの彼が、終始とても悲しい表情を見せ切なくなる。

DVDだと途中でやめてしまうこともあるが、シアターでは決して途中で挫折はしない。かなり睡魔に襲われたもののなんとか最後迄鑑賞した。
イタリア映画祭2016で盛んに宣伝していたからかどうか定かではないが、思ったより観客入っていた。巨匠エルマンノ・オルミに惹かれるのかも知れない。

岩波ホールにて(6/3迄)
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by margot2005 | 2016-05-31 00:11 | イタリア | Trackback | Comments(0)
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