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「マクベス」

「Macbeth」 2015 UK/フランス/USA
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内戦で荒廃したスコットランド。ダンカン王に忠誠を誓うグラミスの領主マクベスは、戦友のバンクォーと共に反乱軍の攻撃を交わし敵将を切り捨てる。やがて荒野の至る所に死体が散乱する中3人の魔女が現れ、マクベスがスコットランド王になると予言する...

マクベスに「スティーブ・ジョブズ/2015」のマイケル・ファスベンダー。
レディ・マクベスに「サンドラの週末/2014」のマリオン・コティヤール。
バンクォーに「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」「ボーン・アルティメイタム/2007」「思秋期/2010(監督、脚本)」「ブリッツ/2011」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」「パレードへようこそ/2014」「チャイルド44 森に消えた子供たち/2014」のパディ・コンシダイン。
マクダフに「プロメテウス/2012」「ベルファスト71/2014」「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション/2015」のショーン・ハリス。
マルコム王子に「トランスフォーマー/ロストエイジ/2014」のジャック・レイナー。
レディ・マクダフに「コードネームU.N.C.L.E./2015」のエリザベス・デビッキ。
ダンカン王に「ニュー・ワールド/2005」「縞模様のパジャマの少年/2008」「ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-/2010」「戦火の馬/2011」「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛/2011」「もうひとりのシェイクスピア/2011」「博士と彼女のセオリー/2014」のデヴィッド・シューリス。
監督はジャスティン・カーゼル。

シェイクスピアの4代悲劇の一つ“マクベス”の映画を見たのは初めて。舞台劇も見たことはなくて、本(戯曲)を読んだだけ。映画は舞台劇のように描かれていて、スコットランドやイングランドでロケされた、映画ならではの背景がドラマにマッチしてとても美しい。マクベスの狂気を現しているかのような血や炎のシーンが印象的。

マクベスの前に現れた魔女たちは、マクベスが王になり、さらに彼の戦友であるバンクォーの子孫が未来の王になると予言する。
マクベス夫人は夫を王にしよともくろみ、ダンカン王殺害に躍起になっているが、マクベスは自分が王になっても後を継ぐ存在がいないことを知っている。

“マクベス”を読んだのは大昔。当然大まかなストーリーしか記憶にない。映画を見て、この夫妻が子供を亡くしていたことを知った(オープニングに子供の葬式の模様が描かれる/原作とは違う設定かも知れない?)。その後再び子供には恵まれず夫妻にとってそれは大問題だった(貴族の領主にとって跡継ぎがいないのは致命的)。結局バンクォーと彼の息子フリーアンスも殺さざるを得なくなるのだ。
しかしマクベスに雇われた刺客はフリーアンス殺害に失敗する。やがてマクベスはかつての戦友バンクォーの幻影を見て錯乱状態になって行く。
マクベスは再び魔女たちの予言を聞く。それは“マクダフに用心せよ!”というものだった。スコットランドの貴族でファイフの領主であるマクダフには3人の子供がいた。もうこうなったらとことんやるしかない!と、燃えるような狂気を発散させマクベスはマクダフの妻子4人を火あぶりにかけて殺してしまうのだった。

見終わってマクベスって悪党ながらとても小心者だったんだと変に納得。
演じるマイケル・ファスベンダーは感情表現がとても上手い俳優で素晴らしい。「SHAME -シェイム-/2012」同様悩める男が実に似合う。
罪悪感に苛まれ、もがき苦しみながらも、燃えるような狂気を発散させる様はスゴい!
レディ・マクベス役のマリオン・コティヤールも然り。マリオンは夫をそそのかす悪妻役にぴったり。
脇を固めるUK人俳優、パディ・コンシダインにショーン・ハリス、そしてデヴィッド・シューリスの存在も忘れてはならない。

映画の公式サイトでは“シェイクスピア”俳優を始めとしたプロの人々が絶賛している。でも上映が始まってまだ3週目なのに、既に朝と夕方しか上映していない。やはり一般人には好まれない映画の様子。私的にはお気に入り俳優のマイケル・ファスベンダーが主演ということで見たに過ぎないのだから。

TOHOシネマズ・シャンテにて
by margot2005 | 2016-05-29 22:31 | Comments(0)