2016年 05月 16日
「ルーム」
ママ/ジョイに「21ジャンプストリート/2012」のブリー・ラーソン。
ジャックにジェイコブ・トレンブレイ。
ナンシーに「ボーン・アルティメイタム/2007」「HACHI 約束の犬/2008」「ボーン・レガシー/2012」のジョーン・アレン。
ロバートに「サンキュー・スモーキング/2008」「君が生きた証/2014」のウィリアム・H・メイシー。
レオに「カイロ・タイム ~異邦人~/2009」のトム・マッカムス。
オールド・ニックにショーン・ブリジャース。
監督は「FRANK -フランク/2014」のレニー・アブラハムソン。
本作はベストセラー小説の映画化だそう。映画を見終わって思ったのは、設定はもちろん変えているだろうけど、実際に起こった無惨な事件をネタにしてドラマにしてしまって良いのか?と感じた。なんとなく生々しいイメージがして小説は読みたくない。
誘拐され、強姦されて妊娠してしまった17歳の女の子は、世間から遮断された“ルーム”に監禁されて子供を産み育てている。逃げ出そうと思ったことはあるが成功には至らなかった。時折彼女を訪ねてやって来る男オールド・ニックは、女の子が生んだ息子ジャックの父親…となんか小説みたいだけど実話。
17歳の女の子が一人でどうやって子供を産んで5年間も育ててきたのだろう!と想像せずにはいられない。5歳になった男の子ジャックはちゃんと育っている。栄誉失調とかでもなく…この辺りは誘拐&強姦犯のオールド・ニックも死なれては困ると便宜を図っていたに違いない。
ママに懇願されとうとう脱出に成功したジャック。やがて、“ルーム”のTVからしか見たことがなかったモノや人が目の前に現れる。その時のジャックの驚きはきっとスゴかっただろうな。
脱出に成功し、ジャックはママ(ジョイ)と彼女の両親に引き合わされる。ジョイの両親と、母親のパートナーのレオが一同に介した時のジョイの父親の反応に驚いた。
母親ナンシーは祖母として孫の存在をすぐに認めるが、父親ロバートはジャックの祖父であることを受け入れようとはしない。男と女の反応の違いにあっと思った。父親は娘が強姦されて産まれた孫などいらなかったのかも知れない。やはり男はわがままだ。
ナンシーのパートナー、レオはジャックを受け入れようと努力する。それはジャックとの間に何のしがらみもないから、逆にすんなりと受け入れることができたように思えた。
“ルーム”に監禁されている母親と幼い息子。狭い部屋で二人は常に一緒。息子は母親を頼り、母親は息子を生き甲斐にしている。
広い世界を見たジャックは母親離れができたのだろうか?それとも母親ジョイは子離れができたのだろうか?と少々気になった。
本作はアメリカ映画とばっかり思っていたらアイルランド&カナダ製作。舞台はアメリカになっているがロケ地はカナダ。最近このパターンが多い。
ヒロインを演じるブリー・ラーソンはオスカー主演女優賞に輝いただけあって素晴らしい。そしてジャック役のジェイコブ・トレンブレイがナイス。
TOHOシネマズ・シャンテにて
この作品、センセーショナルな部分は極力描かないよう配慮していましたが
それでも十分に衝撃的でしたね。
監禁されていた7年間は長いですが、広い世界に放り込まれ
過去を背負っていかなければならないこれからの人生の方が
ずっとたいへんだろう、と思います。
ジャックが事実を知った時、ジョイはどうやって受け止めたらいいのか
ジャックの苦しみをジョイが支え、ジョイの悲しみをジャックが支え...
力を合わせて乗り越えて欲しいですね。
さてさてセンセーショナルな部分は描かれなくとも想像してしまいますので、やはり衝撃的でした。
解放された後の二人の日常は並大抵なものではなかったと思います。
事実を知った時のジャックはどうするのでしょう?母親を責めるかも知れません。でもそれは強い絆で結ばれた母と息子の深い愛で乗り越えて行って欲しいですね。