2016年 03月 29日
「ロブスター」
突然妻に先立たれたデヴィッドは、既に犬に変身している兄と一緒にとある施設(ホテル)に送られる。この地では独身は罪とされていた。独裁者のごとくふるまうホテルの女マネージャーは“45日以内にパートナーを見つけないと動物に変身します。ところで何に変身したいですか?”と尋ねる。デヴィッドは“海が好きだからロブスターにする”と答える。一方で辺りの森には独身者たちのリーダーを中心に強固なコミュニティが築かれ、そこではカップルになることを禁じていた…
デヴィッドに「ニューヨーク 冬物語/2014」のコリン・ファレル。
近視の女に「ナイロビの蜂/2005」「ファウンテン/2006」「マイ・ブルーベリー・ナイツ/2007」「ドリーム・ハウス/2011」「オズ はじまりの戦い/2013」のレイチェル・ワイズ。
独身者たちのリーダーに「007 スペクター/2015」のレア・セドゥ。
ホテルのマネージャーに「思秋期/2010」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」「私が愛した大統領/2012」「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」「カムバック!/2014」のオリヴィア・コールマン。
ホテルのメイドに「ビフォア・ミッドナイト/2013」のアリアーヌ・ラベド。
足の悪い男に「リリーのすべて/2015」のベン・ウィショー。
滑舌の悪い男に「おとなのけんか/2011」「少年は残酷な弓を射る/2011」のジョン・C・ライリー。
鼻血女に「ハンナ/2011」のジェシカ・バーデン。
ビスケット女に「ヒステリア/2011」のアシュレー・ジェンセン。
ハートのない女に「籠の中の乙女/2009」のアンゲリキ・パプーリァ。
監督、脚本、製作は「籠の中の乙女/2009」のヨルゴス・ランティモス。
運良くパートナーを見つけることができないディヴィッドはある時ホテルを脱走する。やがてたどり着いた森で一人の女性と出会い、皮肉にも彼女と恋に落ちてしまうのだ。
独身でいるのは罪、一方でカップルになるのも罪…ならばどうすれば??
ホテルのマネージャーは独身でいると災いが起こると力説し、独身者たちのリーダーはデヴィッドが恋に落ちた近視の女に制裁を下す。
「籠の中の乙女」も全くあり得ないむちゃくちゃな発想だったが、本作も同じくめちゃくちゃ変なストーリー。でも奇想天外さは前作よりましかも知れない。ギリシャの奇才と言われる監督ヨルゴス・ランティモスの頭の中はどのようになっている?
独身は罪と言う理由は良くわからないが、21世紀の今ドラマのような世界が存在するなら施設は独身の男女であふれ返ってしまうに違いない。本作はSFラヴ・ストーリーとのことで未来はあのようになってしまう??
コリン、レイチェル、レア、ベン、そしてオリヴィア・コールマン、ジョン・C・ライリーと出演陣がとても個性的かつ豪華。
舞台となる施設は海辺に建つ瀟洒なホテルで、アイルランドでロケされた模様。
コリンのおじさんぶりには少々驚き。役作りのために太ったに違いない。多分...。でも本作でのコリン・ファレルは性格俳優の雰囲気でナイス。
新宿シネマカリテにて
「独身は罪」って何処かの国にあるのでしょうか?
今の日本は独身者があふれていますが、一昔前は結婚しない人はつまはじきにされていたように思えますね。
この監督の世界観は良くわかりません。
そう現実を皮肉くっているというのには賛成です。
鼻血、髪がキレイ、冷たい、近視、など。共通点がないと好きになれないのかなと。
好きな監督さんです。ラストは、春琴抄のようでしたね
>何故、人は自分と共通点のある人を好きになるのかな?
そうかもですね。
私自身は共通点のある人は逆に避けたいですね。反撥を感じてしまいそうで...。
好きな監督ですか?
なるほど春琴抄ですね。