2016年 03月 07日
「これが私の人生設計/生きていてすみません!」
イタリアの大田舎に生まれたセレーナには素晴らしい絵の才能があった。やがて国内外で学位を修め、若くしてロンドンで建築家として花開く。しかし雨ばかり降るロンドンに嫌気がさしイタリアへ戻る決心をする。やがてローマに落ち着き職探しを始めるが、男社会の建築業界で苦悩することになる…
原案、脚本、出演(セレーナ・ブルーノ)に「ジョルダーニ家の人々/2010」のパオラ・コルテレージ。
フランチェスコに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」のラウル・ボヴァ。
セレーナの同僚ピエトロにコッラード・フォルトゥナ。
セレーナのボスのアシスタント、ミケーラに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のルネッタ・サヴィーノ。
フランチェスコの恋人ニコラにマルコ・ヴォッチ。
監督、原案、脚本は「ようこそ、大統領!/2013」のリッカルド・ミラーニ。
配給がついていない作品が多いので毎年楽しみにしているイタリア映画祭。一番最初に観たのが本作。今年はコメディが多いんだろうか?最初に観た作品がとても面白いコメディで大満足だった。
映画に戻って...
預金も尽き果てアルバイトでもして稼ごうと思ったセレーナはレストランでウエイトレスの仕事を始める。オーナーのフランチェスコは離婚歴のある子持ちの超イケメン。仕事が終わり家に送ってくれるフランチェスコに心は乱れ落ち着かない。しかし彼はゲイだった。
父親であるがゆえに愛する一人息子にゲイだと告げられない彼と、とても有能なのだけど女ということで企業に相手にされない彼女の組み合わせが面白い。フランチェスコに助けられ乗り切ったかに見えたセレーナだったが…現実はそう甘くはない。でもラストはとても爽やかだった。
ラウル・ボヴァのこのようなコミカルなキャラは初めて見た。「トスカーナの休日」と「向かいの窓」でヒロインをとろけさせた彼とは思えない。まぁ10年の歳月もありだが…ラウル・ボヴァは40代の味わい深い男性に変化していてますますゴージャス。
シリアスなドラマ「ジョルダーニ家の人々」で、精神科医を演じていたパオラ・コルテレージは絶対コメディが似合う。
監督と共にホールに現れた素顔のパオラ・コルテレージがチャーミング。
有楽町朝日ホールにて
2015年5月上映の際は配給がついてなかったが、とても面白いドラマだったのでやはり一般公開された。
現在新宿ピカデリーにて上映中