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「誘拐の掟」

「A Walk Among the Tombstones」2014 USA

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1999年、ニューヨーク。スカダーはかつて起こったある事件で心を病み酒に溺れた上、刑事も辞めていた。今はしがない無免許の私立探偵。彼は酒と縁を切るためアルコール依存症のサークルに通っている、ある日、そこで知り合ったピーターに、困っている弟ケニーを助けてくれないかと持ちかけられる。ケニーは麻薬ディーラーで、妻が誘拐され身代金を支払ったにも関わらず残忍な形で殺害されていた...

マット・スカダーに「ラン・オールナイト/2015」のリーアム・ニーソン。
ケニー・クリストに「ダウントン・アビー/2010~2012」シリーズのダン・スティーヴンス。
ピーター・クリストに「ゴーン・ガール/2014」「ラン・オールナイト/2015」のボイド・ホルブルック。
レイに「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで/2008」「007/慰めの報酬/2008」「ウォリスとエドワード 王冠をかけた恋/2011」「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間/2013」のデヴィッド・ハーバー。
アルバートにアダム・デヴィッド・トンプソン。
TJにアストロ。
ルシアにダニエル・ローズ・ラッセル。
監督、脚本は「マイノリティ・リポート/2002」「ウルヴァリン:SAMURAI/2013」の脚本家スコット・フランク。

ピーターに頼まれ仕方なしに麻薬ディーラーのケニーの妻殺害の捜査を始めたスカダーは、麻薬密売人の家族ばかりを狙い、死体を切り刻むという猟奇的な凶行を繰り返す2人組レイとアルバートの存在を探りあてる。やがて別の麻薬リーダーの14歳の娘ルシアが誘拐され、探偵としてのプライドを持って悪に挑むスカダーの姿はフィルム・ノワールを見ているみたいな感覚になる。

家族もなく闇と孤独に生きるスカダーと、相棒になったアフリカン・アメリカンの少年TJの組み合わせが完璧にミスマッチで面白い。
思い起こせばこの時代にはPCが家庭にも浸透して来ている。そしてTJはPCオタク。一方でスカダーはPCになど頼らず直感だけを頼りに動くのだ。'60年代?と思わせるほどクラシックな探偵マット・スカダーが主人公のローレンス・ブロックの原作“獣たちの墓”は1992年に書かれている。
ちょっと調べてみたらローレンス・ブロック原作の「800万の死にざま/1986」という映画があり、ジェフ・ブリッジス主演で見たことを思い出した。

原作がハードボイルド小説だけあってドラマは実に暗い。暗過ぎて、見終わってどすんと落ち込む。原タイトルを知れば当然なのかもしれないが...。次作ありのラストだったが、もうあまり見たいとは思えない。探偵スカダー、シリーズは17作もあるらしいのできっとシリーズされるだろう。

いつも同じ暗い色のコートを着て街を歩く一匹狼のマット・スカダー。演じるリーアム・ニーソンはまさしく適役だ。
ダウントン・アビーのマシュー役でブレイクしたダン・スティーヴンス。マシューの時はヒゲ無しブロンド・ヘアーで甘いマスク。風貌的に優し過ぎてダンには麻薬ディーラーは似合わない気もするが…「ザ・ゲスト/2014」が見たくなった。

新宿バルト9にて

by margot2005 | 2015-06-13 00:38 | Comments(0)