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「真夜中のゆりかご」

「En chance til」…aka「A Second Chance」2014 デンマーク

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刑事のアンドレアスは美しい妻アナと生まれたばかりの息子アレキサンダーとともに平和な日々を過ごしていた。そんなある日、本部より通報を受け相棒のシモンと駆けつけたアパートでドラッグ中毒のカップル、トリスタンとサネに育児放棄され、トイレの床に汚物まみれで放置されている乳児を見つけ呆然とする...

アンドレアスに「ブラウン夫人のひめごと/2002」「ヘッドハンター/2011」「おやすみなさいを言いたくて/2013」のニコライ・コスター・ワルドー。
シモンに「ある愛の風景/2004」「未来を生きる君たちへ/2010」のウルリク・トムセン。
アナに「ヴェラの祈り/2007」のマリア・ボネヴィー。
トリスタンに「しあわせな孤独/2002」「ある愛の風景」「天使と悪魔/2009」のニコライ・リー・コス。
サネにリッケ・マイ・アナスン。
原案、監督に「愛さえあれば/2012」のスザンネ・ビア。

幼い息子が息をしなくなり狂乱する妻。落ち着かせようとする夫に、自殺するとほのめかす妻。焦った夫は育児放棄にさらされる乳児と自分の子供を交換するが、母親にとってその子供が代わりになるはずもない。
こういった時男ってどうして良いかわからなくなるのだろう。で、妻の暗示に動揺し咄嗟に思いついたことを実行に移す。やがてそれが悲劇につながって行くのだ。
見ていてアンドレアスが刑事とは思えない衝動的な行動を取るので少々困ったが、希望が見えるラストにつながりほっとした。
原タイトル「セカンド・チャンス」はドラマにぴったり。

北欧舞台の映画は景色が美しい。そしてアンドレアスとアナが住む湖畔の家はため息がでるほど素敵で、家具調度品など全てが美しい。
ニコライ主演映画を初めて観た。「おやすみなさいを言いたくて」も、wowwoで見たホラーの「MAMA/2013」でも父親役。「エニグマ/2001」「ウィンブルドン/2004」で気になる俳優だったニコライ・コスター・ワルドーも40代半ばとなり、この方優しい父親役がとても似合う。「ブラウン夫人のひめごと」は2006年にDVDで見ている。本作は「ヘッドハンター」以来の北欧が舞台となった作品。

トリスタン役のニコライ・リー・コスは実にワルが似合う俳優だ。アル中刑事を演じるウルリク・トムセンは欠かせない脇役といったところ。何はともあれ主演のニコライ・コスター・ワルドーの苦悩する姿が目に焼き付くが、ラストの笑顔とても素敵だった。
スザンネ・ビアの前作「愛さえあれば」はつまらなかったけど本作は又本領発揮!といった趣。スザンネ・ビアが作り出す世界は哀しみと辛さが不可欠なのかも知れない。

TOHOシネマズ・シャンテにて

Commented by セレンディピティ at 2015-06-01 17:01 x
こんにちは。
サスペンスフルな展開で、これまでのビア作品の中では一番楽しめました。
アンドレアスの行動など、ええ~?と理解できない部分もありましたが
きっとそれほどまでにパニックになっていた、ということなのでしょうね。
サネを演じた女優さん、映画初出演とのことですが
最初と最後の表情がまったく違って...なかなかの熱演でした。
美しくライトアップした湖畔の家とインテリアはほんとうにすてきでしたね!
Commented by margot2005 at 2015-06-03 20:44
セレンディピティさん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

スザンネ・ビアはこういった少々苦しいドラマが上手いですね。女性らしい細やかな小道具などもとても素敵です。
あのゆりかごはスゴくオシャレでしたし、インテリアも抜群。北欧人の高いセンスを感じました。

そうそうサネを演じた女優さんは元モデルだそうで体当たり演技は素晴らしかったです。
by margot2005 | 2015-05-29 22:49 | 北欧 | Comments(2)