「パプーシャの黒い瞳」

「Papusza」2013 ポーランド
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実在のロマの女性詩人パプーシャの生涯を描いた荘厳なる伝記ドラマ。

パプーシャにヨヴィタ・ブドニク。
ディオニズィにズビグニェフ・ヴァレリシ。
イェジ・フィツォフスキに「カティンの森/2007」のアントニ・パヴリツキ。
監督、脚本はヨアンナ・コス・クラウゼ&クシシュトフ・クラウゼ。

雪が積もる道を馬車で移動し、老若男女が集まりたき火を囲む...パプーシャが生まれた1910年〜夫のディオニズィが亡くなる1970年代までを全編モノクロで描いたドラマは少々とっつきにくい。
オープニングはパプーシャの誕生。そして突然60年後に舞台は移り、大臣命令でパプーシャが刑務所から出され音楽会へ連れて行かれるシーンとなる。音楽会で歌われた歌詞はパプーシャが書いた詩。その後、少女時代のパプーシャ、結婚後のパプーシャとめまぐるしくシーンは交錯する。少々頻繁なので映画の半ばくらいまで戸惑いつつ、しかもゆったりと進む白黒ドラマに睡魔に誘われそうだったが、イェジがパプーシャの詩を新聞に掲載した後、迫害に合うパプーシャが気の毒でドラマに惹き付けられて行った。

パプーシャは15歳の時、父親の兄である伯父ディオニズィと強引に結婚させられる。年月が経過したある日、ディオニズィは秘密警察から逃げている作家で詩人のイェジを匿う。それは周りの反対を押し切っての決断だった。放浪民族ロマは文字を持たないが、パプーシャは少女の頃から文字に興味を持ち読み書き習得していた。文字が読めるパプーシャに驚きつつ、彼女の詩の才能を知ったイェジは、詩を書いて送って欲しいと万年筆をプレゼントし別れを告げる。
ずっと迷っていたパプーシャながら、ある日、ワルシャワに住むイェジに詩を書いた手紙を送る。やがて彼はロマ語で書かれた詩をポーランド語に翻訳し出版しようと考え、大物詩人ユリアン・トゥヴィムを訪ねる。そしてとうとうパプーシャの詩が新聞に掲載される。しかしイェジがパプーシャの詩と共にロマに関する論文を本にしたことから、ディオニズィとパプーシャ夫婦は裏切り者扱いされ追放される。白人社会から差別を受けるロマの人間が、白人社会に関心を持たれたパプーシャに憎しみや恨みを投げつけたのだ。

パプーシャとイェジの出会いと別れが悲しい。大きく二人は二度別れを経験している。最初の別れでパプーシャはイェジに惹かれていることを切に感じている。しかし二度目の別れの時イェジの援助を受けていれば…と思わずにはいれない。

ジプシーと呼ばれてきたロマは一般にヨーロッパで生活している。記憶をたどると…「そして友よ、静かに死ね/2011」でジェラール・ランヴァン演じる元ギャングのモモンはフランスのロマ。「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム/2011」でもノオミ・ラパスがやはりフランスのロマのマダムを演じている。

岩波ホールにて
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by margot2005 | 2015-04-29 23:41 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 読書と映画とガーデニング at 2015-05-09 12:10
タイトル : 映画・パプーシャの黒い瞳
原題 Papusza2013年 ポーランド ポーランドに実在した人物、ブロニスワヴァ・ヴァイス(1910-1987)、愛称パプーシャの物語です 文字を持たないジプシーの一族に生まれながら幼い頃から文字に惹かれ家族や一族の反対の中、文字を学び詩を詠んだ少女・パプーシャ...... more
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