2014年 10月 14日
「バツイチは恋のはじまり」
“一度目の結婚は必ず失敗する”というジンクスを抱える一家の女性イザベルは長年の恋人ピーエルとの結婚に躊躇している。しかし二人とも決して若くはないし、子供も欲しいし…でもピエールの母親は、“結婚しないで子供をつくるなんてあり得ない!”という信条の持ち主。そしてイザベルは行動を起こすことに...ピエールと結婚する前に一度結婚しなきゃならないイザベルは偽装結婚のため北欧へ向かう。しかしアレンジ・マレッジの相手は現れずイザベルは意気消沈するばかり。そんな折、空港で偶然出会った能天気な雑誌記者ジャン・イヴに目を付ける...
イザベルに「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」のダイアン・クルーガー。
ジャン・イヴに「戦場のアリア/2005」「ぼくの大切なともだち/2006」「ミックマック/2009」のダニー・ブーン。
イザベルの恋人ピエールに「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛/2006」のロベール・プラニョル。
イザベルの妹コリンヌにアリス・ポル。
コリンヌの夫パトリックにジョナタン・コエン。
イザベルの母親ソランジュにベルナデット・ル・サシェ。
監督は「ハートブレイカー/2010」のパスカル・ショメイユ。
歯科医でイケメンのピエールに見切りをつけ、ダサい男ジャン・ルイと結婚することに決めたイザベルの心境。それはイザベルが自由に生きたいと思ったから。ピエールはイザベルに余計な一言を発するが、ジャン・ルイは彼女が何を言おうが、何をしようが全く気にしない。このような男はそうそういないものだ。基本的に支配欲のある男はパートナーに色々と指摘するのが好きだと思う。イザベルの気持ち100%わかる気がする。結婚して長年暮す相手には支配などされたくない。
ジャン・ルイを演じるダニー・ブーンが適役だ。彼を初めて観たのは「戦場のアリア」だがそれは群像劇なので彼の記憶は薄い。しかしダニエル・オートゥイユ共演の「ぼくの大切なともだち」でのとてもひょうきんなタクシー・ドライバー、フランソワ役は素晴らしかった。
ダイアン・クルーガーは顔が整い過ぎてシリアスなドラマだとなぜか?つまらない。でもコメディだと俄然精彩を放つ。「イングロリアス・バスターズ/2009」の彼女もナイスだった。
美女ダイアン・クルーガーと冴えない男の代名詞のようなダニー・ブーンのカップル。ドラマの中でも語られるように正に“美女と野獣”。
ケニア、ナイロビとロシア、モスクワのシーンも見応えありで、たまにこういったフランス版スラップスティック・コメディも良いものだ。テーマはかなりくだらないけど…。
しかしながら相変わらずヒドい邦題。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて