「大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院」

「Die große Stille」…aka「Into Great Silence」2005 フランス/スイス/ドイツ
脚本/撮影/編集/監督はフィリップ・グレーニング。
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「家族の灯り/2012」以降の岩波ホール上映映画は観ていないので、本作を岩波で上映されることは知らなかった。でもたまたま知ってしまった本作…映画を観る前に公式HPは決して見ない主義ながらこちらはつい見てしまった。ドキュメンタリーってこともあったので…。
公式HPを見て俄然興味を覚え公開されたら一番に観に行こうと思っていた。7月は色々と忙しくて8月に入ってから観に行った所スゴい人が入っていて驚いた。
本作を上映するにあたり、岩波ホールは当たるか?外れるか?どちらかの見解だったそう。だがふたを開けてみると当たりだったわけ。
観たのはウイークディの最終回ながらシアターはほぼ満員。観る人限られそうな映画ながらここまで人が入っているなんて想像もしなかったから…やはり本作もどこかで宣伝していたのだろうか?

フランス、アルプス山脈に建つグランド・シャルト ルーズ修道院の荘厳さに終始圧倒される。
ある日、新しい修行僧がやって来る。修道院長は修行僧に末永く神に仕えるよう訓示を与る。その際、“この地での生活が合わないと感じたらいつでも去って良い。”と諭す。その言葉はとても胸に沁みた。スーパー級に戒律の厳しい修道院は誰にでも合うというものでもないし…
そして修道院長の下に集まった修道士たちは新入りの二人にハグをしつつ心から歓迎する。あのシーンはとても素敵だった。

一日の大半を一人(もちろん一人部屋)で過ごし、祈りの時意外は沈黙を守る。会話が許されるのは日曜日の数時間だけ。用事で村へ出かけても村人と会話をしてはならないし、飲み食いも御法度。唯一泉の水だけは飲む事が許される。
食事はもちろん自給自足だし、修行僧が纏う僧衣を裁断するシーンもあった。俗世間から完全に遮断された世界で、修行僧がフランスパンを抱える姿が少々違和感ありながら、ここはフランスなんだと再納得する。
ある時、雪埋もれた修道院の裏山で即席ソリに興じ、はしゃぐ修行僧たち。あのシーンで初めて笑う彼らを見、観客もつい一緒になって一瞬笑ってしまった気がする。

映画を観て一番気になったのは、この修道院にやって来る人たちってどのような人なのだろう?と、とても、とても興味を覚えた。
そして見終わって「神々と男たち/2010」を思い浮かべた。
そう「神々と男たち」でも何度も祈りのシーンがあり、彼らが唱える聖書の一節がミュージカルのように素敵なのだ。
盲目の修行僧が、自身が盲目になったことを神に感謝し、神を絶賛する姿でラストを迎えるあたりは宗教映画だなぁ...と確信した。
2006年に数々の賞に輝いたというこのドキュメンタリーは素晴らしく荘厳で169分の長さも意外に感じなくて、全く宗教心などないながらしばしキリスト教の世界に浸った。

岩波ホールにて(既に上映終了/ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテにて上映中)
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by margot2005 | 2014-08-28 21:51 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 象のロケット at 2014-09-09 01:18
タイトル : 大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院
フランス、アルプス山脈に建つグランド・シャルトルーズ修道院。 ここは、カトリック教会の中でも厳しい戒律で知られるカルトジオ会の男子修道院。 修道士たちは毎日を祈りに捧げ、俗世間から隔絶された生活を送っている。 修道会との約束に従い、礼拝の聖歌の他は音楽やナレーションをつけず、照明も使わず、監督自身がカメラを携え、6ヶ月間を修道士とともに暮らしながら撮影したドキュメンタリー。... more
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