2014年 04月 08日
「フルートベール駅で」
オスカーに「陽だまりのグラウンド/2001」「クロニクル/2012」のマイケル・B・ジョーダン。
ソフィーナに「僕らのミライへ逆回転/2008」のメロニー・ディアス。
ワンダに「ヘルプ~心がつなぐストーリー~/2011」「フライペーパー! 史上最低の銀行強盗/2011」のオクタヴィア・スペンサー。
カルーソ警官に「ロビン・フッド/2010」のケヴィン・デュランド。
監督、脚本はライアン・クーグラー。
カリフォルニア州オークランド。22歳のオスカーはドラッグの売買で服役した前科者。彼は無職ながらも心優しい青年で、恋人ソフィーナとの間に生まれたタチアナの父親でもある。今日は大晦日。ソフィーナを職場へ、タチアナを保育園へ送ったオスカーは母親ワンダに電話をかける。今日はワンダの誕生日で、親戚一同集まり彼女のバースディを祝う予定。ソフィーナ、愛娘タチアナ、そして母親に深い愛情を注ぐオスカーは新年に向けまともな人生を送りたいと願っていた…
最近実話を映画化したものを観る機会が多いが、本作も2009年に起こった人種差別的な殺人事件をリアルに描き、ドラマはオスカーの一日をたどる形で進んで行く。
オスカーは愛する人に囲まれ人生をやり直そうとしている。大晦日の夜ソフィーナや友人たちとニューイヤーズ・イヴのカウントダウンに出かけ、花火を楽しみ家路へと帰る地下鉄の中で喧嘩沙汰が起きる。そしてそれは激しい乱闘となり鉄道警察官が乗り込んでくる。まもなくオスカーは仲間と共に鉄道警察官に捕らえられ尋問を受けるハメになる。“何もしていない!”と必死に訴えるオスカーを罵倒する警察官。やがて一人の警察官がオスカーに向かって発砲する。
オスカーが黒人というだけで、彼の言い分は全て無視され白人警察官に射殺されてしまったのだ。しかしその一部始終を地下鉄の乗客が動画で撮影していた。生々しい動画は映画のオープニング、スクリーンに映し出される。
オスカーを射殺した警察官は過失致死罪で告訴されるが懲役はわずか2年。エンドロールで本物のオスカーを始めとして、無惨な死を余儀なくされたことを訴える娘のタチアナの姿も映し出される。今だ人種差別が横行するアメリカ社会の惨い現実を見ていたたまれない気持ちになる。
主演のマイケル・B・ジョーダンがgood。
ヒューマントラストシネマズ有楽町にて