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「鑑定士と顔のない依頼人」

「La migliore offerta」…aka「The Best Offer」2013 イタリア

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ヴァージル・オールドマンに「シャイン/1995」「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマン・チェスト/2006」「エリザベス:ゴールデン・エイジ/2007」「英国王のスピーチ/2010」のジェフリー・ラッシュ。
ロバートに「ワン・デイ 23年のラブストーリー/2011」のジム・スタージェス。
クレアにシルヴィア・フークス。
ビリーに「針の目/1981」「プライドと偏見/2005」「ハンガー・ゲーム/2012」のドナルド・サザーランド。
監督、脚本は「題名のない子守唄/2006」「シチリア!シチリア!/2009」のジュゼッペ・トルナトーレ。

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ある日、天才的鑑定士ヴァージル・オールドマンの元へ、亡くなった両親の屋敷に残された絵画や家具を鑑定して欲しいという依頼が入る、しかし依頼人の女性は決してヴァージルに前に姿を現さなかった...

ジュゼッペ・トルナトーレの前作「シチリア!シチリア!」は日本人にとって少々とりつきにくい映画だったが、本作は「ニュー・シネマ・パラダイス/1986」同様素晴らしいストーリーで、ドラマを多いに楽しんだ。
あっと驚く!ラストの展開もナイス。してやられたヴァージル…大ラス、チェコ、プラハのレストランでヴァージルの元へクレアは現れたのだろうか?時計だらけのあのレストランはスゴかった。

ロマンスにも分類されている本作...クレアを愛し、愛されていると思った孤独な主人公のヴァージルを演じるジェフリー・ラッシュが完璧。あの役柄は他に思い浮かばない。
特にオークションのシーンは最高。ヴァージルは競売人として壇上に立ち競りを始める。競り落とす人々が掲げる金額を舌をかみそうな早口(日本語に比べて英語の数字の綴りは長いし...)で次から次へと言い放つシーンは圧巻。さすがのオスカー俳優ジェフリー・ラッシュならではの演技は素晴らしい!の一言。

オークションに持ち込まれる絵画もそうだが、とにかく秘密の部屋に飾られた肖像画がもうもうスゴい!ヴァージルが心から愛する肖像画...その部屋に入ると肖像画たちが彼を見つめることになる。孤独なヴァージルはそれらを見つめ、見つめられ癒されていたんだろうなきっと(あまりにも寂し過ぎるけど...)。
そういやエンドクレジットに蒼々たる絵画の巨匠たちの名前が羅列されているのに目が点だった。

舞台はイタリアの何処かの設定(ロケ地はもちろんイタリア)。
世界中を飛び回る天才的鑑定士ヴァージルは潔癖性で食事の時すら手袋を外さない。行きつけのレストランには彼の名前を冠したグラスと皿が保管されている有様。で、当然人との付き合いは苦手なわけ。ヴァージルが出会ったクレアは“広場恐怖症”という精神疾患で部屋に閉じこもったまま出て来れない。二人は共にアブノーマルな人間であり、結ばれる運命にあるのは自然だったかも知れない。親子ほどの年齢差は気になったが...。

映画を観た後、ヴァージルを陥れるにはあの辺りの設定が不可欠だったことがわかった。
配給会社の宣伝にこうある…“もう一度見ると味わい一変”と…その誘いにのってシアターに行くかも知れない。
しかしながら、肖像画もスゴかったけど、クローゼットに並べられた手袋もスゴかったな。

何度も、何度も予告を見て、なぜ?依頼人は姿を隠しているのか?と、スゴく不思議だったけど、このような結末になるなんて全く想像もしなかったのであのラストにはしびれた。

クレアを演じるシルヴィア・フークスは初めてお目にかかったオランダ人女優。ミステリアスなクレアが似合っている。
ロバート役のジム・スタージェスも良かったし、ドナルド・サザーランドは相変わらずの貫禄。

TOHOシネマズシャンテにて(12月鑑賞)

Commented by D at 2014-01-08 13:54 x
ご無沙汰しておりますDです!
今年もどうぞよろしくお願いします♪

これは観たい作品です!!
感想を読んでいたら、ますます観たくなりました♪

こういう記事を目指して細々とブログを書いていこうと思う2014年です!!
Commented by margot2005 at 2014-01-10 23:55
Dさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。こちらこそご無沙汰しています。
本作は西洋絵画が大好きなわたしにとって素敵な映画でした。
機会があれば是非ご覧になってください。

目指していただけるなんてアナがあったら入りたいくらい気恥ずかしいですがとても嬉しく思います。
Dさん、今年も互いにたくさんの映画に出会えると良いですね。
Commented by セレンディピティ at 2014-01-21 16:12 x
こんにちは。
この映画は、おもしろかったですね!
みごとな美術品の数々、美しい映像にも魅せられました。
途中で、怪しいと思う箇所はいくつもありましたが
それでもあのラストにはあっけにとられました。
もう一度見直してみたくなる作品でした。
Commented by margot2005 at 2014-01-25 22:52
セレンディピティ さん、こんばんは。

もう一度見たいと思ってるのですが中々...。
さて“もう一度見たい”と思わせる展開はトルナトーレの手腕でしょうか?
美術品はホントに見事でしたね。

毎日カフェの窓から見ているあの女性や、そうそうビリーとロバートの存在もスゴく怪しかったです。クレアは最初からでした。
Commented by kintyre at 2014-03-09 23:08 x
こんばんは、この映画は本当に素晴らしかった。何がって脚本に無駄が一切無く、全てのシーンがラストへと繋がっていたとは凄すぎます。
映像も俳優達の演技も含めて満点評価です。
Commented by margot2005 at 2014-03-16 14:22
kintyreさん、こんにちは。レスが遅くなってもうしわけありません。
本作はホント素晴らしかったです。昨年からの上映でスゴいロングランだったのも納得の一作ですね。

>何がって脚本に無駄が一切無く...同感ですね。
俳優も素晴らしかったです。
by margot2005 | 2014-01-08 00:35 | Comments(6)