2013年 12月 26日
「もうひとりの息子」
オリットに「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」「風にそよぐ草/2009」のエマニュエル・ドゥヴォス。
アロンにパスカル・エルベ。
ヨセフに「ぼくセザール 10歳半 1m39cm/2003」「リトル・ランボーズ/2007」のジュール・シトリュク。
ヤシンにメディ・デビ。
ライラにアリーン・オマリ。
サイードに「迷子の警察音楽隊/2007」のカリファ・ナトゥール。
監督、脚本はロレーヌ・レヴィ。
テルアビブに暮すフランス系イスラエル人、アロンとオリット夫婦の息子ヨセフは18歳。ある日、兵役検査で採血し両親の子供でないことが明らかになる。今から18年前、湾岸戦争で混乱する中、病院で別の赤ん坊と取り違えられていたのだ。しかも取り違えられた相手は壁の向こうに暮らすパレスチナ人夫婦サイードとライラの息子ヤシンだった...
ある日突然産みの母親か、育ての母親か?どちらかを選べと言われても選べるわけがない(ドラマの中で息子たちに選択をせまっているわけではない)。現実的には育ての母親に愛情があるから、いきなり産みの母と言われても戸惑いまくるだろう。でも次第に愛情は芽生えていくに違いない。
母親はどうだろう?間違いなく自分が生んだと証明される子供が目の前に現れたらすぐに愛情を感じてしまうと思う。ドラマの中の二人の母親もそうだった。父親は自分の子供かどうかは、子供を産んだ母親を信じるしかないからそもそも無理かと思えるし...で、やはりドラマの父親たちもそうだった。
“実の息子にキスをしないの?”とヨセフに言われ、てれる母親オリットがとても素敵だった。
わたし自身息子の母親なので、どうもこういったストーリーは泣けて困る。二人の母親役のエマニュエル・ドゥヴォスとアリーン・オマリが素晴らしかった。
ヨセフとヤシンが宗教を超え友情を育んで行く姿にも感動する。
主旨は違うがイスラエルの占領下にあるゴラン高原のマジュダルシャムス村を舞台に描いた「シリアの花嫁/2004」を思い出した。
しかしながら今だ紛争が続くイスラエル人(ユダヤ人)とパレスチナ人(アラブ人)を取り違えたなんてアンビリーバブル!!なこと。でもドラマのラストは素晴らしい。
こちらも10月に観て既に上映終了映画。本作はMY BESTに入れたい。対立するイスラエルとパレスチナの家族の愛を描いたとても素晴らしいドラマだった。