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「スタンリーのお弁当箱」

「Stanley Ka Dabba」…aka「Stanley's Tiffin Box」2011 インド
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スタンリーにパルソー。
英語教師ロージーにディヴィヤ・ダッタ。
歴史教師ズーチーに「スラムドッグ$ミリオネア/2008」のラジェンドラナート・ズーチー。
科学教師アイヤルにディヴィヤ・ジャグダレ。
校長にラフール・シン。
監督、製作、脚本、出演(国語教師ヴァルマー)はアモール・グプテ。
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ボリウッド映画って観た記憶がない。本作は歌もダンスもないながら本国インドで大ヒットを飛ばしたらしい。子供が主人公の映画はあまり観ないのだが、インド料理に興味を惹かれて…彼らが食べる実に美味しそうなインドの家庭料理の数々にレシピが欲しくなった。

顔に痣を作り、水道水を飲んで空腹を満たすスタンリー…あくまでも映画の中の話だが、ムンバイに住む貧困家庭の子供たちにとってそれは現実でもある。

主人公のスタンリーは母親も父親も亡くなりおじに引き取られた身の上。おじには厄介者扱いされているが、スタンリー少年は実に明るくてクラスの人気者。

スタンリーは級友に、母親が家にいなくて弁当を作ってもらうことが出来ない…なんて大嘘をつきながら水で空腹を満たしたり、弁当を持ってこれないので家に食べに帰るなんて嘘を適当に並べている。しかし家に帰って食べるという嘘はすぐにバレてしまい、級友は一緒に食べようと自分たちの弁当を差し出す。しかしその現場を目撃した国語教師ヴァルマーは“弁当を持ってこれない生徒は学校に来る資格がない!”と宣告する。このヴァルマーという男は強者で、自分も日々人の弁当を横取りするくせに、スタンリーをいじめるのだ。

ラスト、スタンリーがおじの家で、虐待にも等しい扱い受けつつ重労働に勤しむ姿に、児童就業率が極めて高いムンバイの子供たちの現実を改めて知り驚いたが、このドラマは監督アモール・グプテのメッセージなのだろう。

憎々しげにスタンリーをいじめる国語教師ヴァルマーを演じるアモール・グプテはスタンリー役のパルソーの実の父親だそう。そしてパルソーがとてもキュート。

シネスイッチ銀座にて
by margot2005 | 2013-07-21 19:57 | アジア | Comments(0)