「もうひとりのシェイクスピア」

「Anonymous」 2011 UK/ドイツ/USA
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“匿名の”という原タイトル…数々の名作を後世に残した偉大なる劇作家ウィリアム・シェイクスピア…彼の戯曲は別人が書いたという説があった。
1.彼自身による自筆の原稿は存在しない
2.公式の文書には6つの違った署名が存在する
3.遺言書は本や戯曲のことに一切触れていない
“果たして彼は本当に存在したのだろうか?”…
確かに怪しい。そしてシェイクスピアの戯曲を書いたのはオックスフォード伯エドワードという設定で物語は進んで行く...

オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアに「Jの悲劇/2004」「エリザベス:ゴールデン・エイジ/2007」「パイレーツ・ロック/2009]のリス・エヴァンス。
若き日のオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアに「ロックンローラ/2008」「ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-/2010」のジェイミー・キャンベル・バウアー。
エリザベス1世に「上海の伯爵夫人/2005」「いつか眠りにつく前に/2007」「つぐない/2007」「ジュリエットからの手紙/2010」「ミラル/2010」「英雄の証明/2011」のヴァネッサ・レッドグレーヴ。
若き日のエリザベス1世に「ドラゴン・タトゥーの女/2011」のジョエリー・リチャードソン。
ウィリアム・セシルに「ニュー・ワールド/2005」「縞模様のパジャマの少年/2008」「ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-2010」「戦火の馬/2011」「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛/2011」のデヴィッド・シューリス。
サウサンプトン伯ヘンリー・リズリーにゼイヴィア・サミュエル。
エセックス伯ロバート・デヴァルーにサム・リード。
ロバート・セシルにエドワード・ホッグ。
劇作家ベン・ジョンソンに「マリー・アントワネット/2006」のセバスチャン・アルメストロ。
ウィリアム・シェイクスピアに「ワン・デイ 23年のラブストーリー/2011」「プロメテウス/2012」のレイフ・スポール。
案内人に「英国王のスピーチ/2010」のデレク・ジャコビ。
監督、製作は「インデペンデンス・デイ/1996」「パトリオット/2000」「デイ・アフター・トゥモロー/2004」「2012/2009」のローランド・エメリッヒ。

16世紀末、 エリザベス1世統治下のロンドン。
戯曲を書く夫に対して“何をしてるの?くだらないものを書いて!”…なんてとがめる妻。ともあれ貴族が小説家になるなんてあり得ないことだった。しかしオックスフォード伯エドワードは書くことを決してやめなかった。やがて劇作家ベン・ジョンソンに自ら書いた原稿を渡し、秘密を守るよう約束させる。そして、エドワードから渡された戯曲“ヘンリー5世”がロンドンのローズ座で上演される。上演後、聴衆は拍手喝采し作者の登場を促す。その時ジョンソンを差し置いて名乗ったのは他でもない劇団の俳優ウイリアム・シェイクスピアだった。

この映画の予告も何度も、何度も観た。それはここで上映される映画は90%の割合で観ているシアターTOHOシネマズ・シャンテだから。
主演がリス・エヴァンスにも惹かれたし、著名なる劇作家ウイリアム・シェイクスピアには別人がいたという説がとても興味深かった。シェイクスピアの著名なる物語は何度も読んだり、映画化されたものは大概観ている。先だってwowowでローレンス・オリヴィエ版「ハムレット/1948」とローレンス・ハーヴェィ版「ロミオとジュリエット/1954」の放映があったばかり。
「ヴェニスの商人/2004」「テンペスト/2010」のレビューあり。
エセックス伯が描かれている映画はヘレン・ミレンがエリザベスを演じた「エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜/2001」
シェイクスピア生誕の地ストラトフォード・アポン・エイヴォンを訪れたことがある(下写真)。

ヴァネッサとジョエリー母娘はとても良く似ていて、老いたエリザベスと、若いエリザベスをそれぞれ演じていてパーフェクトなキャスティング。しかし中年のオックスフォード伯と若き日のオックスフォード伯が似てなくて…親子じゃないから致し方ないが、若いエドワードを演じたジェイミー・キャンベル・バウアーと、サウサンプトン伯役のゼイヴィア・サミュエル、果てはエセックス伯のサム・リードまでが被ってしまってこんがらがってしまって困った(特にエセックス伯はエリザベスの愛人の一人だったし...)。あの時代(物語は16世紀末)の衣装を着た男性は区別がつきにくい。
時代物得意で、エリザベス王朝の物語は本でも、映画でも良く知っているつもりだが、時系列で描かれていないため得意の分野でもこんがらがってしまった。この時代背景を理解していない人は人物関係を確認してから観た方が良さそう。

「ノッティングヒルの恋人/1999」で初めてお目にかかったリス・エヴァンス。貴族がこんなにも似合うとは驚き。それに主演だし…リスの主演映画って初めて観たかもしれない。ロバート・カーライルと共演の「家族のかたち/2002」のダメ男役のリスがナイスだったのを思い出す。貴族とダメ男を完璧に演じ分けるリスは素晴らしい俳優。
エリザベスの宰相であったウィリアム・セシルを演じたデヴィッド・シューリスはかなりの老け役だったが上手い。リス・エヴァンス同様デヴィッド・シューリスの時代物も中々のもの。
ローランド・エメリッヒは私的にディザスター・ムービーのイメージが強く、上に書いた作品は全てそう。このような映画も作るのだと少々驚き。
時代物大好きなので、登場人物にやや翻弄されながらも素晴らしいドラマを楽しむことが出来た。
ポスターの“シェイクスピアは詐欺師だった?”というTaglineがイケてる。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2013-01-05 21:43 | UK | Trackback(12) | Comments(2)
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この映画、面白かったです!
でも難しかった・・・
私もこのあたりの英国史はそこそこ勉強しているほうなのですが、ちょっと混乱しました。
良い映画だけれど、早々に打ち切りになるのもしかたがないかも。
Commented by margot2005 at 2013-01-15 23:24
foggykaoruさん、こんばんは。
ホント面白かったですね。
もう打ち切りですか?でもこれって興味のない人は見てもつまらないかもですね。
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