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「4:44 地球最後の日」

「4:44 Last Day on Earth」2011 USA/スイス/フランス
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本作の予告も観ていない。上映館は韓国映画が主流のシネマート六本木で、映画案内websiteで見つけた。主演はお気に入り俳優のウィレム・デフォーと知り観に行った一作。
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シスコに「インサイド・マン2006」「パリ、ジュテーム/2006」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「アンチクライスト/2009」「ミラル/2010」「ハンター/2011」のウィレム・デフォー。
スカイにシャニン・リー。
監督、脚本は「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト/1992」「バッド・ルーテナント/2009」のオリジナル脚本を書いたアベル・フェラーラ。

2012年12月22日。N.Y.の高級アパートメントに暮らすシスコとスカイ。大気汚染により世界は終わりを迎えようとしている。前衛芸術家のスカイはひたすら絵を描いている。一方で恋人のシスコはひげを剃ったり、TVを見たりと落ち着かない。“いつまでもつまらないTVなんて見ないで!”というスカイ。やがてシスコは離れて住む娘にスカイプで話すことを思いつく。娘との会話も終わり、元妻がPCの画面に現れる。これから死んで行く人間は後悔を残したくないのか、シスコはこの期に及んで別れた妻に“愛している!”と言っている。しかしそれを耳にしたスカイが飛んで来る。それも嫉妬心をあらわにし、狂ったように泣き叫びながら...“別れた妻に愛しているなんて!なんて人!”と言語道断とばかりに恋人シスコを責めまくる。
スカイという女性はなんと心の狭い女性なのだろうと飽きれる。世界が終わるのだから、元妻に“愛している!”なんて言ったって良いじゃない?結局自分は愛するシスコに抱かれながら死ぬのだから…。

”地球最後の日”と言えば「メランコリア/2011」を思い出す。本作も「メランコリア」同様心理ドラマでディザスターものではない。
「メランコリア」もそうだったけど、危機が迫ると男て情けないくらい狼狽えるのだ。上に書いたように嫉妬心に狂ったスカイも、終わりを迎える時はシスコを限りなく強く包み入れる。
しかしながらスカイ役のシャニン・リーという初めてお目にかかった女優が全く魅力がなくて(ごく普通の女の子ってイメージ…)がっくり。ラスト・シーン(ポスター)のみ良かったかな?

「メランコリア」は巨大惑星が地球と衝突し、最後の日を迎えるといった展開だが、こちらは大気汚染の末、地球は滅びるといった話。映画の中で、TVキャスターは最後の時間を家族と過ごしたいと帰ってしまい、残されたTV画面には、世界に向けて“地球温暖化問題”を発信したアル・ゴアやチベット仏教のダライ・ラマが語る映像が繰り返し映し出される。現実に世界が終わりを迎える日、TVキャスターって家族と過ごすため家に帰ってしまうのだろうか?少々気になる疑問だが、そんなことわかるワケがない。

前衛芸術家のスカイは一心に絵を描いている。シスコの職業は解らない…ひょっとしてライターだろうか?悪態をつきながら自ら書いたノートを窓から投げ捨てる。窓から見えるニューヨークの街はまだ夜でもないのに暗くて不気味だ。
オープニング…シタールの音色と共に仏像やろうそくが映し出される。主人公のシスコとスカイが座禅を組んで瞑想にふけるシーンもあり、人間は死を迎えるにあたって宗教に救いを求めるのだろう。
ラスト、スカイが“二人で神の元へ行きましょう!”と言い放ち、映画は終結する。

ちょっと調べてみたらパラマウント映画で「”地球最後の日/1951(When Worlds Collide)」というのがある。初めて知ったが…。
ウイレム・デフォーは素晴らしい俳優。「ハンター」の彼はスゴく良かった。そして本作ではただ一人軟弱な男を圧倒的な存在感で示している。

シネマート六本木にて
Commented by rose_chocolat at 2012-10-24 05:06 x
>スカイ役のシャニン・リーという初めてお目にかかった女優が全く魅力がなく
監督の彼女だそうです・・・。 本作にはふさわしくなかったですね。
本作、スカイ役でどうにでも魅力が引き出せた作品だと思うんですが、これだけは完全なミスキャスト。
ストーリーもちょっと練れてなかったですが・・・。
デフォーさんの表現力の素晴らしさが引き立ってはいましたけどね。
Commented by margot2005 at 2012-11-03 20:07
rose_chocolatさん、いつもコメントありがとう!!

スカイ役のシャニン・リーって監督の恋人なんですか?監督はずいぶんなお年だと見受けましたが...
>これだけは完全なミスキャスト...
おっしゃる通りですね。
デフォーはいつも素敵ですね。有楽町に行くたびPRADAの彼の看板に見惚れます。
by margot2005 | 2012-10-21 20:51 | Comments(2)